『日本制服音楽アワード』第2回の優勝は兵庫県の高校生、なるみさんに決定! 授賞式で初オリジナル曲「墓場は寝心地悪そうだ」を披露。真っ直ぐに見据える彼女の音楽未来図とは?

取材・文:野口広之、藤井 徹(Vocal Magazine Web)

制服ブランドのCONOMiが主催する、“日本で一番制服が似合う男女”を決めるコンテスト、『第13回 日本制服アワード』の授賞式が2月22日に都内で開催された。その音楽部門である『第2回 日本制服音楽アワード』では、兵庫県出身の高校生・なるみさんが優勝に輝き、会場で自身が作詞・作曲を手掛けたオリジナル曲「墓場は寝心地悪そうだ」をパフォーマンスして会場を沸かせてくれた。

『Vocal Magazine Web』では、授賞式後のコメントに加えて、レコーディング直後のインタビューも行なったので、そちらも合わせてレポートしていく。

 登壇直後は緊張の面持ちのなるみさんだったが、愛用のアコースティック・ギターを抱えて歌い出すや一転して堂々とした歌いっぷり。間奏では髪を振り乱してステージを左右に動き回る。人前でのパフォーマンスが初めてだったという彼女に、終演後に話を聞いてみた。

やっと自分の音楽活動が始まるなって。

──まずは受賞の率直な感想を。

なるみ やっと始まったなという気持ちです。オーディションを一次審査、二次審査と受けて、選ばれて、ゴールや!ってなるんじゃなくて。今までいろんなオーディションを受けて、結果が出てこなかったんですけど、やっと自分の音楽活動が始まるなって。今でもまだ実感は湧いてないんですけど、それが止まる理由にはならないんで、この先の自分の音楽でこれが嘘じゃないんやってことを証明したいです。

──今日、ステージで披露した曲が初めて作った曲なんですか?

なるみ フルで完成し切ったのはあれが初めてです。

──完成度が高くて、初めて作ったとは思えないような曲ですけど、だいぶ苦労しました?

なるみ はい。作るときは、なかなかコンセプトがら決まらないし、しかも音楽理論がめちゃくちゃわかるわけでもないので、ギター弾いて、ピアノ触って、ああでもないこうでもないって言いながら作りました。

──普段はSNSで配信してるんですよね。路上など人前で演奏した経験はありますか?

なるみ 知り合いの家とか小規模な場所では今までしてきたんですけど、今日のような場をいただくのは本当に初めてでした。

──けっこう堂々としたパフォーマンスでしたよ。

なるみ UNISON SQUARE GARDENが好きで、ベースの田淵(智也)さんのパフォーマンスにすごく憧れを持ってて、自分もあんな感じになりたいなと意識しました。

──これからはライブ活動もしていきたいと思ってます?

なるみ したいですし、1曲だけじゃライブはできないんで、自分の曲を増やして自分のライブしたいです。

──今、何曲ぐらいありますか?

なるみ 1曲です。フルで完成してるのは。これからバンバン曲を作ります。

──今日着ているCONOMiの制服の感想は?

なるみ スカートを普段あまり穿かないので、スイッチが入りました(笑)。

──影響を受けたアーティストは誰ですか?

なるみ UNISON SQUARE GARDENの田淵さん。曲を作るときで言ったら、あいみょんとか、ヨルシカとか、セカオワ(SEKAI NO OWARI)とかです。

──ステージを観ていて、ちょっと椎名林檎っぽさを感じました。

なるみ ああ、ほんとですか!? 曲をカバーしたことはあるんです、知らない間に吸収してるとかはあるかもしれないです。そう言われて嬉しいです。

──今日は緊張しましたか?

なるみ 緊張しましたね。でも、やり切った感はあります。

──今後はどんな活動をしたいですか?

なるみ バンドを組みたくて。バンドマンになっていろんなところに行って演奏したい。ギター/ヴォーカルをやりたいです。3ピースがよくて、今、ドラムとベースを募集中です。年齢も性別もとらわれずに、音楽性で集まれたらいいなと思ってます。

──頑張ってください。すごく可能性を感じました。

なるみ ありがとうございました。


 『制服音楽アワード』では、優勝者に【オリジナル楽曲を作成してプレゼント】するという受賞特典がある。普段からSNSで弾き語りカバーを投稿していたなるみさんは、楽曲提供ではなく作詞・作曲を自身で手掛けることを希望。生まれて初めてのオリジナル曲「墓場は寝心地悪そうだ」は、授賞式から遡ること、およそ1ヵ月前。都内のスタジオで「墓場は寝心地悪そうだ」のレコーディングが行なわれた。ここでは、レコーディングを終えたばかりの彼女に、コンテスト応募のきっかけや、楽曲制作について聞くことができた。

「オリジナルやります」って先に言って頑張りました。

──まずは自己紹介をお願いします。

なるみ 兵庫県宝塚市出身のなるみです。SNSで弾き語りを主に投稿しています。

──SNSでの弾き語りは、今どのぐらいの頻度で投稿しているんですか?

なるみ 今は週に数本は頑張って上げるようにしています。

──今回のオーディションは何をきっかけに知りましたか?

なるみ CONOMiさんの制服のベストをネットで買って。届いたとき一緒に音楽アワードのチラシが入っていて、これはやりたいことに合ってるなっていうので、挑戦しました。

──制服の着こなしについてのこだわりは?

なるみ リボンとかネクタイとかいろんな種類を集めていて。スカートと、どのリボンが合うかな?とか。今日はベストを着ていこうかな?とか、ブレザーにしようかな?とか、毎日楽しんでます。

──応募音源はどんな曲をどんなスタイルで録って送りましたか?

なるみ 夏休み中にひとりでカラオケに行って、クリープハイプさんの「憂、燦々」をワンコーラス、アコギの弾き語りで録って送りました。普段からSNSに弾き語りを投稿してるので、その中から自分の強みを伝えられる音源を探して見つけたのがその動画なので、それを応募したっていう感じです。

──歌やギターは何歳ぐらいから始めたんですか?

なるみ 歌はいつも歌っているんですけど(笑)、ギターは中学生の頃から始めました。

──ギターを弾き始めたのは、家族のどなたかの影響ですか?

なるみ カッコつけたかったからです(笑)。ギターがカッコいいなあと思って。それから独学で練習していて、誰かに習ったりはしてませんね。

──1次に受かって、対面審査である2次オーディションには、どんな気持ちで臨んだんですか?

なるみ 怖いものはなくて、落ちたとしても挑戦には価値があると思うから、心と身体でぶつかりに行った感じです!

──2次オーディションの動画を拝見しましたが、そこではエレキギターでの弾き語りでしたね。あのギターもなるみさんのものですか?

なるみ そうです。ずっとアコギ弾いてたんですけど、父から「エレキも弾きな」と買ってもらいました。その頃、エレキはなんも詳しくなくて、“テレキャスって何? ストラトって何?”みたいな状態で、父に楽器屋さんに連れて行ってもらったんです。何本か弾いてみて、弾き心地とかで、これかな?って選びました。

──2次ではアコギではなく、エレキにした理由は?

なるみ 1次はアコギで自分のことをアピールしたから、2次では「エレキも弾けるんだぞ、自分はこんなこともできるぞ」っていうのをアピールできたらと思い、あえて変えました。

──ちょっとソロっぽいフレーズも入れてましたもんね。演奏し終えたときの手応えはどうでした?

なるみ 審査ではめちゃくちゃ褒めていただいて、ちょっと調子に乗ったくらい嬉しかったです(笑)。

──優勝ですと連絡を受けたときの気持ちは?

なるみ メールでいただいたんですが、「これ、たぶん詐欺かな?」と(笑)。でも本当にびっくりしました。スターバックスで注文して待ってるときにメールが来たんですけど、QRコードを開いたら結果で。ひとりででっかい声出しました(笑)。

──優勝特典は、オリジナル楽曲の提供だったかと思うのですが、今回自分の作詞作曲でいきたいと思ったのは?

なるみ それまで自分で曲を作ったことがなかったので、“もしかしたら自分には曲作りはできないかも”って思ってたんです。でも、その“作らなきゃ”って思っていたのを変える、いいきっかけになるんじゃないかなと。自分を追い込めるかなと思ったので、もう「オリジナルやります」って先に言って頑張りました。

──この曲は、どうやって作ったんですか?

なるみ 曲先です。何から始めたらいいかわかんなかったんで、アコギ持ったりピアノ弾いたり、鼻歌だけで、“あれがいいかな、これがいいかな”ってやってたんですけど、BPMが決まってキーが決まってきて、本格的に曲はピアノで作っていきました。

──ピアノはメロディを決めるため? コードも同時に?

なるみ コードも同時に決めていきました。

──そのコードをギターに落とし込んでいったんですね。サビからできたとか、Aメロからできたとかは?

なるみ プロデューサーの小笠原淳さん(CONOMi)とzoomでやり取りしながら、ワンフレーズずつ作っては、“こんな感じで作ろうと思ってます”みたいに送ったんですけど、そのときはめっちゃ緊張しました。

──歌詞ができたのはいつぐらいですか?

なるみ 本当に最近で。年末くらいにできました。

──歌詞はどこで苦労しましたか?

なるみ まずテーマですね。携帯やら紙にメモがたくさんあったので、それに一旦すべて目を通して。それらをかき集めて軸が決まって、まとめていくみたいな感じで作業していきました。

──曲の着想ができている間には、歌詞のことは全然入ってこないタイプだったんですね。その着想の中でキーになった言葉とかありますか?

なるみ “こういう言い回しを使いたい”とかが今まであって。例えば2番に《聞きしよりもまして》という歌詞があるんですけど、これは古典の授業で聞いた言葉なんです。すごい語呂が良かったから、“いつか歌詞に入れてやろう”と思ってメモしたのが見つかったので、今回入れてみました。曲だけできて歌詞がついていないときに、小笠原さんに“恋愛の曲に変えたらどう?”って助言をもらって。“なるほどな”って思いながら、一回そっちに足突っ込んだんですよ。でも、なんか道に迷ってしまい(笑)。

──いきなり高校生で死生観から入ってくる子はなかなかいないですよね。

なるみ 死ぬとか生きるとか、あの人のことが好きとか、そういう、ひとりの人にとって重大なことを書くほうが価値はあるんかなと思って。

──メロディが先だったからなのか、独特のメロディラインというか、歌詞の乗り方になりましたよね。

なるみ メロディはポップで聴きやすい感じになったなと思うので、それくらいのメロディやったら、ちょっと強烈な歌詞でもいけるんちゃうかなって。それは曲が先やったからこそ、できたことかなと思います。

──レコーディングも初めてだということですが、まずギターの録音はどうでした?

なるみ すごく楽しかったです! 自分の手癖とか押さえ方とかがあるので、オケに合うのかなって心配してたんですけど、思っていたよりもいつも自分が弾いてる感じで音源に落とし込めて良かったなって。

──歌はどうでした?

なるみ 朝は思うように声が出なくて、自分が思ってたよりもうまく歌えへんくて。大丈夫かなと思ったけど、どんどんノッていって無事に終わりました(笑)。

──最も苦労したところは?

なるみ サビです。自分でメロを作ったのに、高すぎて歌いづらくて困りました(笑)。作ってるときも、なんか高いなとは思ってたんですけど、作っていくうちに、もう戻れなくなって。ここ高いからキー下げてとかは無理になっていって。

──できあがった音源を聴いた感想はどうでしたか?

なるみ 聴く人には好きなように解釈してもらいたくて。私が、“ここにはこういう意味を込めて”とか“こういうストーリーで”とか言っちゃうと、聴く側の解釈の自由を奪っちゃうことになるので、私からはあえて内容に関しては言わずに、好きなように解釈してほしいなって、できあがった音源を聴いて思いました。

──この曲を『日本制服アワード』の授賞式で歌うことが決まっています。

なるみ オーディションの2次審査へ行ったときみたいに、全力でやりに行こうと思います。

──ギターは持って?

なるみ はい。魂が乗り移るんですよね(笑)。

──期待しています。これからの音楽活動での目標を教えてください。

なるみ バンドをやりたいですし、バンドを楽しめたらいいかなと思っています。そして音楽をきっかけに出会える人たちと、もっともっと出会っていきたいですし、その人たちと関係性を広げたいなって思います。また、これからやる音楽は、誰かのためとか聴く人に寄り添ってというよりは、好きなことを好きなようにやるっていうのを、忘れないでいたいなって思います。

なるみ「墓場は寝心地悪そうだ」Music Video

小笠原 淳(CONOMi)コメント
 ここで『日本制服アワード』&『日本制服音楽アワード』のプロデューサーであり、自身も音楽制作を行なう小笠原 淳さんに、なるみさんの受賞理由や楽曲のやり取りについて聞いてみよう。

◎審査において
 部屋へ入ってきたときからスター性みたいなものがありましたね。オーディションってみんな緊張してやって来るんですけど、多くの人は「◯◯県から来ました、高校◯年生です、よろしくお願いします」みたいに言うんですけど、なるみさんは、「ド田舎からやってきました、なるみです。ジャカジャーン(ギターの音)」って始まったんですよ(笑)。“そんなロックなやついる?”と思って(笑)。
 でも、見た目からそんな雰囲気は全然ないじゃないですか。すごいなと思ったら、歌もちゃんとすごかった。うまいとか個性的というのもそうなんですけど、“この人がこの音を出したら一番気持ちいいよね”みたいな歌を歌ってくれたなっていうのがすごく印象的で。良すぎておかわりしたんですよね。もう1曲いけますか?と。SHISHAMOの曲を歌ってくれたんですけど、それもすごい良くて。オーディションが終わった時点で、「今回の優勝は彼女になるかもな」という気持ちではありましたね。

◎楽曲のやり取り
 『制服音楽アワード』のグランプリは“楽曲提供してレコーディングを行なう完パケまでがプレゼント”なんですけど、(なるみさんは)明らかに作りそうな感じで来たんですよ(笑)。1回目のグランプリの方も作詞はしていたんで、せめて作詞はしてほしいなっていうのと、自分で楽器も弾きたいということだったから、「作曲もどうですか?」って言ったら、「やるに決まってんじゃないですか」って感じで返ってきて(笑)。
 曲を作るときのやり取りの中では、音に対してのこだわり、一個一個の意味みたいなのをしっかり伝えてくれたし、しっかり持っていました。単純に“こういうほうが派手だから”とか、“このほうがカッコいいから”というよりは、“ここでギターを鳴らしたい。なぜなら次のサビ頭に向けてこの音がフックになるから”といったように細かいところのこだわりも伝えてくれたんですよ。それはやっぱりアーティストさんだなって印象でしたね。
 この曲、最後がけっこう“エグ転調”しているんです(笑)。“一般的な半音転調が盛り上がるからいいんじゃないですか?”みたいな話をしてアレンジを送ったんですけど、“やっぱり普通のことは嫌かも……”みたいな感じで、「ちょっと考えます」と言って彼女から出てきたのが“マイナス6転調”だった(笑)。何回か止めたんですよ、声が出ないからやめたほうがいいと思いますって。でも、「それで(いきます)」って最後はなりました。その「やっぱやります」を聞けたから、やって良かったですね(笑)。

◎歌詞のやり取り
 僕は歌詞が一番びっくりしました。最初、歌詞にめっちゃ悩んでたんですよ。「どういうの書いたらいいかわからない」ってずっと言ってて。僕は、歌もそうなんですけど、人となりがすごくいいなと思ってグランプリになってもらったので、人間性が出るような歌詞にしてほしいなと思って、それが出やすいのは、“例えば恋愛ソングとかどうですか?”みたいに言ってみたんですね。でも、「恋愛かあ、めっちゃダルいな」みたいな感じで(笑)。それで「自分の好きに書いたらいいと思いますよ」と言ったら、これが出てきたっていう。
 なんかエグいのを出してくるなと。でも、もっとエモいので来るかと思ってたんです。彼女はそういう音楽が好きだし。そうしたら、“エグみのほうで来るんだ!?”みたいな。それはめっちゃ面白かったです。メロディは何回か直したんですけど、歌詞は一切直してません。

◎今後へ
 こういう“飛び抜けた才能ある人に出会いたい”というのが、このオーディションのひとつの目的ではあるので、それを今年は達成できたなと思ってますね。ただ、今後、具体的に僕がプロデュースでデビューしていきますって話じゃないので、僕が知らないところでガンガン活躍をしていってくれたらいいなと本当に思っています。


リリース情報

「墓場は寝心地悪そうだ」なるみ
2026年2月22日 配信リリース
配信リンク:https://link-map.jp/links/hHftGLDd

作詞・作曲:なるみ
編曲:東山智有

プロフィール

なるみ

兵庫県出身、シンガーソングライター・なるみ(鳴海)。

自分のための音楽を、好きな音楽を飽きるまで鳴らし続ける。

SNS

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