【Myマイク・インタビューVol.1】さかいゆうのマイク事情。Yokohama Microphone、SHURE、Neumannが登場!

取材・文:田代智衣里(Vocal Magazine Web)

『ヴォーカル・マガジン・ウェブ』では1周年スペシャル企画として、みんなの「Myマイク」を調査中! 目玉インタビュー第1弾となる今回は、さかいゆうさんにお話を聞きました。

“「58」でいい声で歌える”ということがポイントになってくる

──最新アルバム『CITY POP LOVERS』のレコーディングでは、楽曲ごとに違うマイクを使いましたか?

さかい 全部で3つしか使ってないと思います。「Neumann U87Ai」はすごく自分に合っていて、「SPARKLE」もそれで録りました。パワフルさと繊細さの両方をナチュラルに録ってくれるんです。上も下も出ていて、すごく気に入ってます。

──他に使ったマイクはどんなものですか?

さかい うちにあるもの(SHURE SM7B)と、big turtle STUDIOSにある丸っこいマイク(AKG THE TUBE)を使いました。

──自宅には他にも“Myマイク”を置いていますか?

さかい 「Yokohama Microphone」っていう手作りのマイクを最近使ってます。その中の「momiji」は、拳1個離れると声が聴こえなくなるぐらいの指向性なんです。その代わり、マイクに近づくと声を全部拾ってくれる。ローもハイも何から何まで拾うんです。

もうひとつの「sakura」は「SHURE SM58」よりも指向性が広いので、自由に動いて歌いたいときに使ってますね。あとはSHUREの「BETA 58A」と、SHUREの高いマイク(SHURE SM7B)と、「Neumann U87Ai)」があります。

──自宅スタジオでは、デモを録ることも多いのですか?

さかい はい。ドラムもベースもギターも、生ピアノもWurlitzerもRhodesも、シンセサイザーもキーボードもあるので、スタジオで全部録っています。

──初めて自分で買ったマイクを覚えていますか?

さかい 「SHURE SM58」だったと思います。……いや、借りてたかな。アメリカにいた頃、僕が週に1〜2回ストリートライブする日にルームメイトの日本人の友達に借りて使ってましたね。

──ライブで使うマイクは決めていますか?

さかい フェスだと自分のマイクが使えなかったりしますね。最近の自分のライブでは、「Yokohama Microphone」を使っています。でも、「SHURE SM58」も指向性が広くていいですよね。“「58」でいい声で歌える”ということが、けっこうポイントになってくると思います。

──『Augusta Camp 2022』では、ハンドヘルド型ワイヤレスシステムのSHURE「GLXD24 / BETA58A」を使っていましたよね。

さかい そうですね。どんなマイクで歌っても自分のサウンドを出せるので、極端に言うとそんなに自分の声が聴こえなくてもあんまり音痴にならないんです。だから僕はモニターの自分の声(の音量)がすごくちっちゃいんですよ。人と一緒にやると、すごく驚かれますね。

──自分の声よりも、周りの楽器の音をよく聴きながら歌っているんでしょうか。

さかい そっちのほうが意識してます。骨伝導で音程をとるみたいな感じですね。

──マイクと口元の距離は意識しますか?

さかい それ、めちゃめちゃ気にしますよ。すごく近くで歌ったり、ちょっと離れて張って歌ったり。僕の場合はボリュームが適正でも、特定の倍音が強いので(音が)割れちゃうんです。

──最近のさかいゆうさんは、マイクと口元の距離が近いことが多いと思いました。

さかい それはたぶん、ローを入れたいからですね。やっぱりマイクから離れるとローがなくなっていくので。

──逆にローをカットしたいときは、マイクから離れるのですか?

さかい うん、そうかもね。でも、あんまり離れ過ぎなくても、拳1個離れればずいぶんカットされますよ。

──マイクを選ぶときには、いくつか試してから決めているんですか?

さかい 試すこともありますね。でも、マイクももちろん大事なんですけど、それよりも自分のマインドセットのほうが大事だなと思います。今日の歌、今の歌、自分の歌をパーンとナチュラルに収めてくれたら、そんなにマイクは関係ないのかなと思ったりもしますね。

──マイクも大事だけれど、マイク以上に歌を左右することがあると。

さかい そう。うまい人は「SHURE SM58」でも「SHURE SM57」でも「Neumann U87Ai」でも、何で歌おうがその人の歌になっちゃいますから。ある程度のクオリティに達していて、メンテが行き届いてるマイクだったら、僕はそんなに気にしないです。「58」でも、いい感じに録れますよ。


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最新アルバム『CITY POP LOVERS』のインタビュー記事はこちら


リリース情報

さかいゆう & origami PRODUCTIONS
『CITY POP LOVERS』

2022年11月30日リリース
配信・CD購入・アナログ盤予約:https://virginmusic.lnk.to/CITYPOPLOVERS

●初回生産限定盤 CD+DVD
4,950円(税込)
特典DVD:2022年8月6日に故郷 高知県土佐清水市で開催した「酔鯨酒造 presents さかいゆう sings Whale Song」ライブ映像(約60分収録)

●通常盤 CD
3,300円(税込)

<CD収録曲>
01. SPARKLE
さかいゆう feat. Ovall, Kan Sano, Michael Kaneko, Hiro-a-key
作詞:吉田美奈子 作曲:山下達郎(原曲:山下達郎)
プロデューサー:さかいゆう

02. 砂の女
さかいゆう feat. 関口シンゴ
作詞:松本隆 作曲:鈴木茂(原曲:鈴木茂)
プロデューサー:関口シンゴ

03. ゴロワーズを吸ったことがあるかい
さかいゆう feat. Ovall
作詞曲:かまやつひろし(原曲:かまやつひろし)
プロデューサー:Ovall

04. 真夜中のドア〜stay with me
さかいゆう feat. Shingo Suzuki
作詞:三浦徳子 作曲:林哲司(原曲:松原みき)
プロデューサー:Shingo Suzuki

05. プラスティック・ラブ
さかいゆう feat. Kan Sano
作詞曲:竹内まりや(原曲:竹内まりや)
プロデューサー:Kan Sano

06. ピンク・シャドウ
さかいゆう feat. Michael Kaneko
作詞曲:岩沢二弓、岩沢幸矢(原曲:ブレッド&バター)
プロデューサー:Michael Kaneko

07. 夢で逢えたら
さかいゆう feat. Nenashi
作詞曲:大瀧詠一(原曲:大滝詠一)
プロデューサー:Nenashi

08. やさしさに包まれたなら
さかいゆう feat. mabanua
作詞曲:荒井由実(原曲:荒井由実)
プロデューサー:mabanua

09. オリビアを聴きながら [Bonus Track]
さかいゆう feat. さらさ
作詞曲:尾崎亜美(原曲:杏里)
プロデューサー:さかいゆう

10. 夏のクラクション [Bonus Track]
さかいゆう
作詞:売野雅勇 作曲:筒美京平(原曲:稲垣潤一)
プロデューサー:さかいゆう

●アナログ盤(LP)
2023年1月25日(水)発売
3,850円(税込)


ライブ情報

4年越しの野音ライブ開催
2023年4月8日(土)
開場16:00 / 開演17:00(20:15終演予定)
※雨天決行・荒天中止

会場:東京・日比谷野外大音楽堂
ゲスト:Ovall, Michael Kaneko, Nenashi a.k.a Hiro-a-key, Shingo Suzuki, mabanua, 関口シンゴ, さらさ
チケット:全席指定 7,000円(税込)※小学生以上有料
さかいゆう公式サイト:http://www.office-augusta.com/sakaiyu/


プロフィール

さかいゆう
高知県土佐清水市出身。唯一無二の歌声と、SOUL・R&B・JAZZ・ゴスペル・ROCKなど幅広い音楽的バックグラウンドをポップスへと昇華させる、オリジナリティ溢れるサウンドが魅力のシンガーソングライター。高校卒業後、18歳のときに突如音楽に目覚め、20歳で上京。22歳で単身LAに渡り、独学でピアノを始める。2009年「ストーリー」でメジャーデビュー。自身の楽曲だけでなく、小泉今日子、坂本真綾、SMAP、Sexy Zone、Da-iCE、DISH//、土岐麻子、新妻聖子、薬師丸ひろ子、和田アキ子、など多くのアーティストに楽曲提供を行なっている。2018年から世界中を旅しながら、John Scofield(g)、Ray Parker Jr.(g)、Bluey from Incognito(g)、Stuart Zender(b ex.Jamiroquai)、Terrace Martin(sax)、Nicholas Payton(tp)、Renato Neto(k)など世界的なプレイヤーとのレコーディングを実現。2021年5月12日に8枚目のオリジナルアルバム『愛の出番 + thanks to』をリリース。2022年6月22日、「Whale Song」(酔鯨酒造50周年記念ムービーテーマソング)を始め、故郷・高知にまつわる楽曲を集めた『Whale Song EP』をリリースし、iTunes R&Bチャートにて1位を獲得(連続1位獲得記録を更新中)。8月には故郷・土佐清水市で凱旋ライブとなる『酔鯨酒造 presents さかいゆう sings Whale Song』を開催した。

関連リンク

オフィシャルサイト:http://www.office-augusta.com/sakaiyu/
YouTube さかいゆう 公式チャンネル:https://www.youtube.com/c/sakaiyu/
Twitter:https://twitter.com/Sakai_Official
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