監修:西川佳甫(Natural Voices代表)
取材・文:鈴木瑞穂(Vocal Magazine Web編集部)
「声を出しやすくする」「歌う」ための、毎朝5分の声と身体の土台作りをご紹介します! Natural Voices代表・ボイストレーナーの西川佳甫先生の監修のもと、朝時間を活用した発声練習&ストレッチメニューとその効果を解説していきます。
「歌うのは好きだけど、基礎練習がわからない」
「仕事が忙しくてボイトレが習慣化できていない」
そんな方におすすめなのが、朝時間を活用した発声練習とストレッチです。起きてすぐの5分だけ、誰でもできる簡単なトレーニングで、歌うための「声」と「身体」の土台作りを行なっていきましょう。
この記事では、Natural Voices代表・ボイストレーナーの西川佳甫先生の監修のもと、朝にピッタリな発声練習&ストレッチメニューとその効果をご紹介。毎朝コツコツ続けられて、かつ、スッキリした気持ちで1日をスタートすることができますよ。
歌がうまくなりたい方はもちろん、お仕事で声を使う・よく話す機会がある方々にもぴったりのメニューなので、ぜひ参考にしてみてくださいね。
監修者:Natural Voices代表・ボイストレーナー 西川佳甫
岐阜県出身&在住。自身が持つ「自然な声」で発声するために、呼吸・口腔・姿勢を軸に、声と身体のコンディショニングを整える科学的なトレーニングを行なっている。また、NSCA-CPT(全米ストレングス&コンディショニング協会認定パーソナルトレーナー、口角美™️サポーター、呼吸トレーナーCを有し、ヴォーカリストや楽器演奏者のコンディションを整えるスポーツトレーナーとしても活動中。
目次
◆朝に発声練習&ストレッチを行なうメリットとは?
(1) 声を出すための筋肉をスイッチオン!気持ちよい1日のスタートへ
寝起きは身体や喉の筋肉が眠っているため、声を出しづらいと感じることがあると思います。朝の発声練習とストレッチで身体のコンディションを整えれば、声を出すために必要な筋肉のスイッチを無理なく入れることができます。また、心も身体も軽くなって気持ちよく1日をスタートできるでしょう。
(2)朝は「習慣化」への絶好の時間帯
忙しい毎日を送っていると、歌の練習を習慣化させようと思っても、なかなか難しかったり……。そこで、習慣作りに最適な朝時間の活用がおすすめです。今回ご紹介するメニューを毎朝の習慣に取り入れることで、健やかな身体と、リラックスした状態での「力まない発声」ができることを目指していきましょう。
良い声を出すために、身体を健康に保つことも大切です。
毎朝5分だけ、歌うため・声のための時間に当ててみましょう!
◆プロが直伝!5分でできる朝の発声練習&ストレッチ5つ
歌うための声と身体のコンディショニングを整えるために、毎朝コツコツ続けられる5つのメニューをご用意しました。それではいってみましょう。
(1)息をながーく吐いてみよう
まずは呼吸から行なっていきます。長く息を吐くことで、自律神経を整えていきましょう。ベッドの上で寝転がりながら手軽に行なえます。
1. 膝を立てて寝転がり、肋骨下部に手を当てます。
2. 口から息を、長く、細く、ゆっくりと吐いてください。目標は40秒です。
3. 息を吐き切ったあとは、鼻から息を吸ってくださいね。
◎リラックスして身体の力を抜くように行ないましょう。
◎息を長く吐くと肋骨下部が下がって閉じていくような動きも起こるので、そのあたりも注目していきましょう。
(2)首のリラックスマッサージ
次に、首のマッサージを3つご紹介します。首まわりの筋肉をマッサージすることで、デスクワークなどからくる首の緊張をほぐし、疲れない・枯れない声への基礎を作っていきましょう。ここからはあぐらで行ないます。
- 胸鎖乳突筋のマッサージ
手の指を、胸鎖乳突筋の位置に添えて、皮膚を揺らすように上から下へマッサージをしていきます。左右同じように行ないます。
- 頭板状筋のマッサージ
手の指を、頭板状筋の位置(首の後ろの骨の横)に当てて、皮膚を揺らすように上から下へマッサージをしていきます。
- 小後頭直筋のマッサージ
後頭の、首と頭の境目に親指を当てます。下から上に、頭を持ち上げるようにしながら、首の中央から横に向かってマッサージをしていきます。
(3)深い呼吸のための体幹ストレッチ
さらに深く呼吸ができるよう体幹のストレッチをしていきます。身体を大きく捻り、脇を伸ばすことで、肩がリラックスしたり、肋骨が動かしやすくなるので、息を長く保つことができるようになります。引き続きあぐらで行ないます。
1. 手の指を組み、頭の付け根から上に引き上げます。このとき肘を開き、肩甲骨を寄せるようにします。
2. 口から息を吐きながら、右へ身体を回転し、右の肘を天井に向けて上げていきます。ここで一度ストップ(目安:3秒間)。
3. 鼻から大きく息を吸い、口から吐きながら、真ん中に戻っていきます。
4. そのまま左へ回転し、同じように行ないます。時間があるときは、左右4回ずつトライしてみましょう。
(4)声が出しやすくなるための重心コントロール
次は重心コントロールのエクササイズです。歌うときに大切な、上半身をリラックスさせるためのバランス力を培っていきます。ここでは立って行ないましょう。
1. 足の裏の拇指球(親指の付け根の部分)に体重を乗せます。このとき、足の指先はたくさん開いてください。
2. つま先立ちをします。グラグラしないように、頑張ってください!
3. そのまま、ゆっくり踵(かかと)を下ろしていきましょう。
◎モモの裏の筋肉(ハムストリングス)の感覚、踵を床に下ろしたときの足の裏の感覚を特に意識してみてくださいね。
(5)歌いやすい声に導くための舌挙上ハミング
最後に、舌を挙上させたままのハミングの練習で、舌根の柔軟性を高め、歌いやすい声に導いていきましょう。立ったままでも、座って行なっても大丈夫です。
1. 舌の先端を上の前歯の付け根の、少し奥のところにつけます。
2. 唾をゴクンと飲み込んでください。舌全体が上顎にピッタリついたのがわかるでしょうか?
3. 鼻の奥のほうに取り込むイメージで息を吸ったら、ハミングをしましょう。ハミングの音程は1オクターブです。
◎時間があるときは、無理のない範囲の音程まで続けてみたり、好きな歌の1フレーズをハミングしてみるのもおすすめです。
◆メニュー動画のフル視聴はこちらから
◆毎朝コツコツ続けて、歌うための「声」と「身体」の土台作りを!
朝にピッタリな発声練習とストレッチメニューをご紹介しました。毎朝5分の練習習慣で、声と身体のコンディショニングを整え、リラックスして歌える状態を目指していきましょう。
また、「ボイトレのレッスンに興味がある」「歌がうまくなりたい」と感じた方へ、オンライン・ヴォーカル・レッスン「歌スク」がおすすめです。
本記事を監修してくださった、西川佳甫先生の無料体験レッスンも現在オープンしています。
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