【集中連載】『ロック・ヴォーカリスト“THE BIBLE”』 Vol.1:大音響に負けない! 声量アップ&ハイトーン発声大作戦!

文:本山Nackeyナオト(SMDボーカル教室)
写真:ヨシダホヅミ

バンド・ヴォーカリストに必要なボイトレ知識

ボイトレ常識6つのウソ「えっ! 腹式呼吸はいらない!?」

バンドで歌うヴォーカリスト必須のスキル「声量アップ」、「高音域の発声」。
バンドのヴォーカリストに限らず、声量と高音域の発声で悩んでいる人は多いよね(ウチのスクールの生徒さんものお悩みナンバー1&2)。

前述したとおり楽曲の音域は高くなっている傾向にある。そして抑揚のある歌唱法のテクニックは声量アップのトレーニングが必要だ。

そこで、まずは高音域発声について大事な考え方や効果的な練習方法をご紹介しよう。
そもそも高音域を発声しているとき、声帯はどのようになっているのか知っているかな?

息を送って声帯が閉じて擦(こす)れ合って振動が起こり、声になっている。そして音程を決めるのはその時の「振動数」なんだ

たくさん振動すればするほど音程は高くなる。ちなみに「high-A(4A)」と言われている周波数が440Hz。音程が高ければ高いほどキツくなるのは当たり前なんだ。

声量アップやハイトーンの発声ために必要なトレーニング方法

表声と裏声を理解しよう

「声量アップやハイトーンの発声には腹式呼吸が必要」。みんなもどこかで聞いたことがあるはず。でもその前に知ってほしいことがある。声帯や声そのものについてだ。

声には種類があるということを知るのが、声量アップやハイトーンの発声にまず必要なんだ。
声は大きく分けて2種類ある。そう、地声と裏声だよね。

でもね、実はボイストレーニングでは「地声」って言わないんだ。
それを知るだけで声量アップやハイトーンの発声に役立つ。

どういうことかって?
「裏」の反対は何でしょう?

そう、「表」だよね。みんなが思っている地声って、ボイストレーニングの世界では「表声」(ひょうせい)って言うのだ。

この理解がすごーく大切。
声帯の表側にあるのが、のど仏(甲状軟骨)だ(のど仏と声帯はくっついている)。

のど仏を軽く叩きながら、その部分を意識して発声してごらん。

子供の頃にやった宇宙人のモノマネみたいに「ワ・レ・ワ・レ・ハ・ウ・チ・ュ・ウ・ジ・ン・ダ」みたいな感じで声が震えるはず。そう、それが「表声」。まさに声帯の前側(のど仏あたり)を使う感覚だ。

それでは次に裏声で「フー」と息を吐くように発声してごらん。
先ほどと同じようにのど仏を軽く叩きながらね。ほら、今度は声の震えがないはずだ(動画参照)。

つまり声には種類があるということ。そして「表声」と「裏声」の両方とも正しくのどを使う意識が、声量アップには大切だということなんだ。

高音域で発声するには発声できるレンジ幅(音域・声域)を広げることが必要となる。だから低音~高音まで広い音域を使って発声することが大切。低音域から高音域まで発声することで、しっかり声帯を使える。そうすることで声帯は鍛えられ、柔軟性を高めていけるのだ。

もちろん、“がなって”のどを痛めてしまう発声はNG。正しく表声の発声を身につけて歌うことで、声は鍛えられ、確実に音域が広がる。

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