自分らしく嘘をつかずにキャラを大事にする

−普段、声のコンディションについて気をつけていることはありますか？

JASMINE　恥ずかしい話ですが、全然やっていないんです。そのくらい自然体の方がいいかなと。実は、私はケアをしすぎると、NHKの歌のおねえさんみたいな奇麗な声になってしまうんです。R&Bなので、少ししゃがれているくらいの方がいい。私の声のハスキーなところが好きという人が多いので、“分かりました、そっちですね！”という感じです。だから例えば、レコーディングでファルセットが多めな曲を録る前は、普段のしゃべり方を抑えめにしておくというな調整はしますね。

−JASMINEさんの作品を聴くと、メインボーカルとコーラスとで、さまざまな声色を使い分けていらっしゃるように感じます。

JASMINE　そうですね、声色のコントロールは得意だと思います。性格を変えているんです。メインと、ハモリと、ファルセットのコーラスと、とか。

−それは歌うときの自分の気持ちの上でということですか？

JASMINE　そうです。メインの子がいて、その子の応援係と、完全な背景としての音色係とみたいな。中学生のときとかも、絶対何言ってもうんって言って支えてくれる子とかがいるじゃないですか。

−なるほど。役割をご自身の中で設定することで、それをどう演じ分けるかを歌の中で消化しているんですね。

JASMINE　そうですね。でも、最近は割とメイン1本が人気なんですよ。ハモらない。で、できるだけキャラ全開みたいな。特に、キャラが超大事。私自身のキャラもそうですし、私が言うから響く言葉ってあるじゃないですか？　それをいかに私目線で歌にするか、みたいな。声をハスキーにしていることも、やっぱり私のキャラを出すことの一つで。歌がうまいとかじゃなくて。

−キャラクターばかりが先行してしまうのは違うように思いますが、「歌がうまい人」がたくさんいる中で、その人が特別に見えるのは確かにキャラクターなのかもしれません。

JASMINE　音楽をやっている人としか絡んでなかった頃って、そのキャラの重要さが全然分からなかったんですよ。「歌がうまい人が勝ちに決まってんじゃん!?」みたいな。でも、例えば飲食店で、味やお店の雰囲気ももちろん大事だけど、もう一度行こうと思うのはその店員さんにもう一度会いたいと思えるかだったりする。私も、もう一度会いたいと思ってもらえる人にならなきゃいけないっていうのがあるから。普段結構仲良い子とかって、やっぱり私みたいのが多いんですよ。みんなボロボロの声で、ほかの人が絶対言わないこと言うような人たち。それをはっきりと分かりやすく歌でも表現することで、やっとキャラがキャラになるんじゃないかと思います。他の業種の人を見ても、スキルやセンスは努力次第でも、その人が生きているだけで涙が出るみたいな感覚ってあるじゃないですか。そういうのが最終ゴールというか、まず自分らしく、自分に嘘をつかずにやってみようかなって。最近は、それが表現なのかなと思ってますね。

Maestraudio MAPro1000

　Maestraudioは、群馬県高崎市に本拠を構えるメーカー、オーツェイドのイヤモニ（IEM）ブランド。圧電セラミックスを使用した技術に長けており、それをIEMに応用することで広いサウンドステージ表現を得意とする。

　MAPro1000は、Maestraudio製IEMならではの広いサウンドステージ表現を維持したまま、より快適に耳にフィットする筐体設計を目指して開発した、新IEMシリーズ「MAPro」の第１弾製品。イヤーピースだけで本体を支えず筐体形状で耳に対し固定することで、耳道の負担を軽減し、より快適なフィッティングと遮音性向上を同時に実現し、動いてもズレにくい上、長時間の使用でも耳道への負担が少なく疲れにくい設計となっている。

　MAPro1000のドライバーは、深く沈み込む低域再生を実現する10mm径グラフェンコートダイナミックドライバーに加え、独自技術のパッシブ型セラミックコートツィーターとして新開発の5.8mm径RST（Reactive Sympathetic Tweeter）を初搭載。ハイブリッドドライバー構成を採用し、小型軽量な筐体ながらも広いサウンドステージと音に包まれるようなイマーシブサウンドを実現する。

MAPro1000 製品ページ：https://www.aiuto-jp.co.jp/products/product_5002.php
オンラインショップ（Amazon.co.jp）：https://amzn.asia/d/01MSNsIj

JASMINE

2009年、ソニー・ミュージックアソシエイテッドレコーズよりデビュー。ゴスペルをバックグラウンドに持つ歌唱力と、シンガーソングライターとしての才覚で注目を集める。2019年に活動再始動後、精力的に楽曲リリースやライブ活動を続けるほか、EMI MARIA、Tokyo Gal＆DJ FRIP a.k.a. Beatlab、buzzy.、OGaMixxX SBC VS. Lonely Fictionなどの作品で客演。2023年にはエスコンフィールドでの北海道日本ハムファイターズの試合にて「Fight Song」歌唱も行った。

Instagram：https://www.instagram.com/jasmilicious/

Recent Release

体感を含めた“ステージのフラット感”に近いイヤモニです 〜 MAPro1000 × 高木祥太（BREIMEN）

記事はこちらからご覧ください