【インタビュー】Little Black Dress 歌謡ロックをベースにさまざまな表情を見せるメジャー1stアルバム、『AVANTGARDE』を語る!(撮り下ろしグラフ多数)

取材・文:藤井 徹(Vocal Magazine Web)
撮影:松井伴実

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10年後、20年後に想いが残るものとして作りたい

──それでは、アルバム『AVANTGARDE』について聞いていきたいと思います。全体的なコンセプトとそれに伴う楽曲作りで意識していたことは?

LBD メジャー1stアルバムっていうところで、この先10年後、20年後に「こういう時代だったな、こういう悩みを抱えていた時期に作ったな」とか、そういう想いがちゃんと残るものとして作りたいというのがありました。

──収録曲はアルバムに向けて作ったものと、以前に作ったものが混在している感じですか?

LBD そうですね、ちょうど半々くらいです。前のレーベル時代に制作していた曲は、先にシングルでリリース配信していまして、あとはアルバム用に書いた曲と、10代の頃にMISIAさんのオープニングアクトをさせていただいた際に弾き語りで披露した曲を入れたりといった感じです。

──先行して存在していた曲に対して、補完するような考えはありましたか?

LBD アルバム用に書いた曲は先行リリースした曲とのバランスは見ていました。(先行リリース曲は)繊細で手の込んだアレンジの曲が多かったので、良い意味でバカになれるような曲とか(笑)、何も考えずに頭を振れる曲とか、そういうものを足してみた感じではあります。

──豪華なアレンジャー陣が起用されていますが、楽曲との組み合わせはどう決めていきましたか?

LBD 塚田(耕司)さんとは、女王蜂のアヴちゃん繋がりでこれまで試しにスタジオに入ったり、レコーディングしていただいたことがあったんです。「アヴァンギャルド」はけっこう作り込んだデモを作ったこともあり、“この世界観を崩したくない。だけど何かを加えてもらいたい”と思っていた曲だったので、すごく柔軟にアイデアをくださる塚田(耕司)さんしかいないって感じでした。これまでのLBDになかった“アヴァンギャルドなダンスミュージック”になっていると思います。

──「Lonely Shot」、「メッチャいいじゃん!」、「猫じゃらし」の曽我淳一さんは?

LBD シティポップコンセプトのアルバム(『SYNCHRONICITY POP』)のときからすごくお世話になっているのですが、実はそのアルバムを作る前からも、今回のアルバムに入っている曲のデモ作りを手伝っていただいたりしていました。私は丸投げスタイルよりも一緒にスタジオに入ってアレンジを作り上げることが多く、曽我さんは柔軟に私の意図を汲み取ってくださるので、そういう曲をお願いしました。

──「十人十色」の宮永治郎さんは?

LBD この曲のアレンジをするにあたって、当時のディレクターさんが「ちょっと昭和歌謡要素を入れたい」っていうアイデアがあり、例えば「異邦人」(久保田早紀)のような、「ちょっとオリエンタルで情緒がある感じは宮永さんだろう」っていうことで、ご紹介いただきました。宮永さんは、この曲に昭和歌謡にロック要素も入れつつ仕上げてくださいましたね。

──そして「PLAY GIRL」は、大御所の笹路正徳さんですね。

LBD 本当に数々の名曲を手掛けられている方ですよね。この曲のデモを作った段階で、80年代のアン・ルイスさんのサウンドに影響を受けたような世界観を目指したくて。だったらもう笹路さんだろうなっていうところで、ひとつ前のレーベルで担当だったディレクターさんの繋がりで紹介していただきました。

──こうやって話を聞いていると、遼さんはアーティストや作家さんだけじゃなくて、アレンジャーのクレジットもしっかり見る方なのかなと感じました。

LBD はい、バンドメンバーまで見たりします(笑)。

──昭和の歌謡曲は、特にアレンジャーさんの色合いが強いですからね。でも、共同でアレンジ作業を進めるときなど、そういった共通言語があるのは良いですよね。

LBD 私の中でも引き出しがいっぱいあるというか、「こういう音色が欲しいです」っていうのは、すごくスムーズかつ柔軟にできているかなと思います。

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