意外と、しっかりしたコーラスをベースにした曲は初めてだったんです（八上和希）

──では、ニューアルバム『花だより』についてお伺いしていきたいと思います。前作のメジャー1stアルバム『OverTone』はポップで勢いのある楽曲が多かったところ、今回は歌やハーモニーをしっかり聴かせる曲が多い印象でした。

GUCCHI　そうですね。おっしゃるとおり、前作はライブで映えるようなアップテンポな曲が多かったので、今回は聴かせるアルバムもアリやな、という方向性でした。作っていく中でいろいろ組み合わせていたら、たまたま春にちなんだ曲が多くなって。出すタイミングもちょうど春だし、アルバム名からそういうイメージでいこうということになりました。

──まさに、１曲目の「CIRCLE」から、春の訪れを感じる気持ちのいいオープニングですよね。

GUCCHI　「CIRCLE」は、昨年のツアーのSE兼１曲目として披露していた曲なんです。

アマノ　頭から歌声の強さやコーラス感を前面に出したくて。一気に世界に引き込まれるし、ライブを観ているお客さんへのハマりも良かったので、僕としては今後もライブで使っていきたいと思っています。

──歌い始めは八上さんですか？

八上　そうです。ひとりで歌い始めるので、ライブではかなり緊張していましたね。まあ、どれだけツアーを重ねても、酸素が薄く感じるくらい１曲目は緊張するんですけど。「CIRCLE」は特に歌い始めが重要なので、僕の中で難易度の高い曲です。

──「最初で最後の」は、Da-iCEの「CITRUS」などを手がけたプロデューサー、Kaz Kuwamuraさんを迎えた曲です。プロデューサーと制作してみていかがでしたか？

八上　意外と、しっかりしたコーラスをベースにした曲は初めてだったんです。ハモリのラインも、自分たちにない世界観をたくさん引き出してもらえました。

匠　今まで、いわゆる「♪Uh～Ah～」系のハモりがほとんどなくて。歌に沿ってメロディをハモっていくパターンが多かったんですよね。だから、こういう見せ方もできるんやっていう発見がありました。

八上　せっかく４人のコーラスグループなのにもったいないという感覚は全員あったと思うので、このタイミングでそれもできることを世間に見せられたかなって。メインもコーラスも、なんせキーが高いから、かなり難しかったですけどね。レコーディングは時間がかかりましたけど、できあがってみたら１音目からインパクトがあって、Kaz Kuwamuraさんの力を実感しました。

──続く「サンデーナイト」がまったくテイストの違う曲で。ダンサブルなビートで歌詞もイケイケなのかなと思いきや、日曜の夜にだらだら過ごしている曲という（笑）。

GUCCHI　そうですね（笑）。前のアルバムからテーマが壮大な曲が続いていたので、ちょっと力を抜いた、深く考えずに作る曲も絶対必要やなと思ったんです。だから、ひたすら好きなように作りました。実は、作るうえではしっとりしたバラードより、こういうジャンルのほうが好きなんですよ。

──歌詞に反して、歌はクールなアプローチというギャップがいいですね。

GUCCHI　八上と匠が得意な感じの曲調なんですけど、ちょっとテクニックがいる曲なので、歌うとそんなに簡単ではないと思います。

八上　GUCCHIが言った通り、僕も匠くんも「サンデーナイト」みたいな曲はわりと得意分野ですね。聴いていて耳が気持ちいいのは「最初で最後の」とかだと思いますけど、自分自身が歌っていて気持ちいいのはこういう曲。ただ、気持ちよく歌いながらも、歌詞の世界観的に「こんなにだらしないやつの曲をカッコよく歌っていいのか？」とは思いました（笑）。でも、ここまで胸を張ってダラダラしてるなら、この生き方に誇りを持っている主人公なんだろうなって。

匠　僕は、蝶ネクタイをつけてビシッとキメたイメージで歌いました。ダラダラしてる歌詞ですけど、“チェスゲーム”とか“チェックメイト”のようなカッコいい言葉が入っているので。まあ、GUCCHIは普段こういう生活してるのか、とは思いましたけど……。

GUCCHI　いやいや、よく見てほしい。日曜日の夜にダラダラしてるだけやから（笑）。１週間頑張ったうえで、やから。

匠　ははは！　僕もわかるところはあるので、共感を込めて歌えました。

──そして、「めくるめく」は、一転してバンドサウンドの曲ですね。最初からバンドサウンドのイメージで作った曲ですか？

GUCCHI　はい。２〜３年前に作った曲なんですけど、オバトンの声とバンドサウンドは合うと思っていて。特にこういうアップテンポな曲はエレクトロよりバンドの生っぽい音のほうが映えるので、いつもお願いしているSHIBUさんにアレンジを依頼しました。SHIBUさんは、バンドサウンドに加えて打ち込みの良さも引き出してくれる方なんです。

──コーラスはユニゾンに近いですね。

GUCCHI　そうですね。青春の曲なので、歌でもちゃんと青春っぽさを出せるような歌割りを考えました。

八上　４人でユニゾンはちょっと違うということで、珍しいパターンなんですけど、僕とアマノがメインでサビを歌ってます。ユニゾンで歌うのは僕の中でGReeeeNのイメージがあったので、レコーディングのときにアマノと「俺ら、GReeeeNっぽくない？」ってLINEしてました（笑）。あと、お互いの青春時代を知っているふたりだったのも良かったと思います。

アマノ　そうそう。青春時代に自分がいるような、楽しくもあり、懐かしくもある気持ちになれる曲ですし。曲調は明るいけど、今学生の人のみならず、僕ら世代の人が聴いてもグッとくる曲だと思います。

──「僕らの街」も青春感がありますが、初期に発表した曲を再レコーディングしたんですよね。

アマノ　そうです。６年前くらいに発表したんですけど、事務所やレーベルに所属する前にリリースした曲なので、盤になっていなくて。そろそろ入れてあげようということで再録しました。

八上　ツアーでは絶対歌う曲なんですよ。だから、基本的なアレンジはそのままで、メインヴォーカルを録り直して、ハモり方を変えたくらいです。サビは４人でユニゾンしてますね。昔はけっこう４人で歌う曲があったんです。

──クラウン徳間ショップ限定Special Edition盤に収録されている「One less」も初期からある曲ですが、また少し違うラテン系のムードで。リミックスされて、さらにゴージャスなアレンジになりましたね。

GUCCHI　これはもう超気持ちいい曲です。ただ、リミックスでBPMが速くなったから、ライブで歌うときは滑舌をめちゃくちゃ意識してます。

八上　ライブでよくやる曲なので、みなさんに愛していただいている曲ですね。昔から応援してくださってる人も、最近ライブへ来てくれるようになった人も、どちらもライブですごく喜んでくれる印象があります。

──ぜひ限定盤をゲットして聴いてほしいですね。こうして見ていくと、本当に曲調がさまざまで。きれいなコーラスやバラードだけではなく、ユニゾンで歌う曲もダンサブルな曲も、いろいろ歌えるグループでいたいという気持ちがあるんですか。

GUCCHI　そうですね。バンドではないので、あらゆる音を使い放題じゃないですか。だから、何かひとつのジャンルに絞るわけではなく、いろんなジャンルの中でオバトンらしさを生み出していけたらいいなと思います。

「OverTone、大きくなったな」と思ってもらえるよう全力で頑張ります（NOWAR The匠）

──そして、４月13日からアルバムを引っ提げてのツアーが始まりますね。

八上　本数で言うと過去最多本数なんですよ。勢いあるグループだと思ってもらえるツアーにしたいのは大前提として……初日がアマノの誕生日なので、アマノの29歳のスタートをちゃんと勢いつけてあげたいなと思います。

アマノ　はい！　だから、絶対ソールドアウトさせたいですね。万が一しなかったら、自分でチケット買おうかなって。

GUCCHI　（笑）。本数が多いからこそ、場所によってムラができてしまったらダメなので。全箇所でしっかり良い点数を叩き出せるようなライブをしていきたいと思います。

匠　コロナ禍になってから、東名阪とか限られた場所にしか行けてなくて。初めて行く場所や久しぶりに行く場所が多いんですよね。だから、久しぶりに観てくれた方には「OverTone、大きくなったな、成長したな」と思ってもらえるように、全力で頑張りたいと思います。

──写真を見ると、ライブではイヤモニをしてないですよね。フロアモニターだけですか？

八上　イヤモニはしたことがないですね。だから、フロアモニター次第で左右されることもあるんですけど。これでずっとやってきて、根っこの部分の実力をつけられたんじゃないかなと思います。いずれはイヤモニも試してみたいです。

アマノ　ゆくゆくはね。ホールライブとかをやるようになったら試したい。

──ツアー中の喉のケアはどんなことに気をつけていますか？

八上　僕は、ライブ前日にお酒は飲まないようにするとか、ホテルに泊まるときはバスタブにお湯を溜めて寝るとかですね。やっぱり、加湿は重要です。

GUCCHI　ライブの前日は夜更かしせず、当日はできるだけ早く起きておくのが大事かなと思います。まだ目が覚めていない状態でリハをやって声を出したら、すぐかすれてしまったりするので。ライブ前はストレッチもしています。匠くんは葛根湯を常に持ってるよな。

匠　そう。鼻炎持ちで花粉症でもあるので、常備してますね。『花だより』のレコーディングも花粉シーズンだったので、常に喉と鼻を通すように試行錯誤していました。最近は、病院とかにもある蒸気が出るホットシャワーを買って、夜寝る前にやってます。

八上　僕も花粉症なんですけど、ウイルスをブロックしてくれるスプレーがオススメです。１日１回振るだけではあんまり意味がなくて、２時間に１回ぐらい振るのがポイントです。全然違いますよ。

──みなさん、喉は強いほう？

八上　強いと思います。ただ、アマノはたまに声がどっか飛んで行っちゃう。

アマノ　ライブの始め３曲くらいで、声が一回どっかに飛んでいくんですよ（笑）。アッパーな曲で始まることが多いし、バンドのシャウトに近いような声で煽ったりするので。でも、ちゃんと歌もののときには帰ってきてくれるから大丈夫です。

──あと、余談になりますが……、みなさんと親交がある山本由伸選手がロサンゼルス・ドジャースに移籍して、メジャーリーガーとして活躍されていますね。

八上　すごいことですよね！　勇気をもらえます。でも、最近はすっかりテレビの向こうの人という感じで……。

GUCCHI　もう他人やと思われてそう。

八上　いやいや、そんな人間ちゃうから。めっちゃいい人やから！　できるなら現地に行って応援したいですね。それで、いちファンとして色紙にサインしてもらいたいです（笑）。

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リリース情報

ミニアルバム『花だより』OverTone
2024年３月27日（水）発売

＜収録曲＞
01. CIRCLE
02. 最初で最後の
03. サンデーナイト
04. 風光る
05. I Love Youじゃなくて
06. めくるめく
07. 僕らの街
08. 四等分 ★
09. One less（remix）★
10. 栞（Piano Version）★
（★：Special Editionのみ収録）
＜特典＞
『OverTone Live Tour 2024「花だより」』会場で使用できる“特典会参加券”付き

＜収録曲＞
01. CIRCLE
02. 最初で最後の
03. サンデーナイト
04. 風光る
05. I Love Youじゃなくて
06. めくるめく
07. 僕らの街

リリースイベント情報

『花だより』発売記念リリースイベント
２月25日（日）①13:00 ②15:00　大阪・ヨドバシ梅田 ２F LINKS広場
３月２日（土）①13:00 ②15:00　大阪・ヨドバシ梅田 ２F LINKS広場
３月16日（土）①13:00 ②15:30　愛知・新星堂アスナル金山店
３月20日（水・祝）①13:00 ②15:00　東京・立川タクロス タクロス広場
３月22日（金）19:00~　リミスタ　インターネットサイン会
３月23日（土）①13:00 ②15:00　埼玉・イオンレイクタウン mori １F 噴水広場
３月30日（土）①13:00 ②15:30　東京・Joshin日本橋店ディスクピア ７Fイベントホール

ライブ情報

４月３日（月）「渋谷オーシャンズ」 @東京・渋谷Star Launge
５月６日（月・祝） JYT ２MAN TOUR大阪公演 @​大阪・梅田Zeela

ツアー情報

『OverTone Live Tour 2024「花だより」』
４月13日（土）兵庫・神戸K-wave
４月14日（日）兵庫・神戸K-wave
４月21日（日）石川・金沢AZ
４月27日（土）宮城・仙台LIVE HOUSE enn 2nd
４月28日（日）茨城・水戸SONIC
４月29日（月・祝）千葉・DOMe柏
５月３日（金・祝）広島・Yise
５月４日（土）岡山・CRAZY MAMA 2nd Room
５月18日（土）京都・MOJO
５月25日（土）愛知・名古屋ell.SIZE
５月26日（日）岐阜・柳ケ瀬ants
６月15日（土）福岡・Queblick
６月16日（日）鹿児島・SR HALL
６月22日（土）神奈川・横浜BAYSIS
６月23日（日）東京・渋谷Spotify O-nest
７月13日（土）大阪・難波Yogibo HOLY MOUNTAIN
７月14日（日）大阪・難波Yogibo HOLY MOUNTAIN

▼チケット
全自由FC：4,000円（税込）／一般：4,500円（税込）
※整理番号付。入場時１D代別途必要
※申込枚数制限：おひとり様につき、１公演４枚まで（複数公演申込み可）
※小学生以上チケット必要
ご購入はこちら：https://overtone0906.com/contents/703395

プロフィール

OverTone

2017年９月に大阪で結成の４人組ヴォーカルグループ。
各々が 10 代の頃からソロシンガーとして音楽活動をしている中で出会った八上和希、GUCCHI、NOWAR The 匠の３人は、互いの音楽性と人間性に惹かれ合い、結成することを決意。そこに八上和希の中学の同級生であり、音楽活動を始めたばかりだったアマノが加わりOverToneを結成。
結成からわずか３ヵ月でアメリカ村DROP、翌年に阿倍野 ROCKTOWNでのワンマンライブがソールドアウト。全国ツアーを精力的に行ない、2020年には地元大阪・Umeda TRAD ワンマンをソールドアウトさせた。
2022年３月にメジャーデビューシングル「ゼロ」を配信リリースし、６月にはメジャーデビューアルバム『Prologue』、そして2023年６月７日にメジャー1stフルアルバム『OverTone』をリリース。
2024年３月、FM大阪主催『LIVE SDD 2024』では、全国220万人を超えるメッセンジャーたちから選出され、オープニングアクトとして大阪城ホールのステージで圧倒的なパフォーマンスを披露した。
それぞれが個性的で圧倒的な歌唱力を持ち、独自の世界観から生み出されるリリックとメロディが支持されている注目のグループ。

公式ファンクラブ「オバファニスタ」会員募集中！：https://overtone0906.com/#fanclub
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