【インタビュー】歌ライバーASUPI、映画『CAMP7』主題歌シンガーを勝ち取るまでの道のりを語る。「とにかく続けることが一番大事」

取材・文:鈴木瑞穂(Vocal Magazine Web)

ライブ配信は、私にとって安心する場所

──ライブ配信では普段どんなジャンルを歌っていますか?

ASUPI 基本的にリスナーさんからのリクエストに応えることが多いので、その場合は流行りの曲から昭和の曲までオールジャンルなんですけど、自分で決めて歌うときは、遥海さんの曲を歌ったり、絢香さんやMISIAさんとかやっぱりそっち系になりますね。

──配信のタイミングは決まっているのでしょうか?

ASUPI リスナーさんはサラリーマンの方が多くて、お昼にやっても見に来られる人が少なかったりするので、だいたい夜の9時から11時の間に1時間半〜2時間とか配信することが多いです。加えて、時間が空いたお昼とかにその時間帯しか見てないリスナーさんとの出会いを求めて、プラスアルファで配信することもあります。また、お休みのタイミングは週に1回ぐらいですかね。決まった休みの日を作ってる方もいますが、私の場合はライブ配信1本でやっているので、できるときはやって、自分の予定があるときは“ちょっと休むね”という感じで。そこはリスナーさんとの信頼関係じゃないですけど、普段からコミュニケーションを取ってるのでわかってくれるというか。

──歌の活動に模索している中でライブ配信に出会ったというお話もありましたが、もともとライブ配信にはどんな印象を持っていましたか?

ASUPI 実はもともと知り合いがライブ配信をやっていたんですよね。ただやったこともないので「いや、そんな配信して……生活できるの?」とか、いろんな不安や疑心暗鬼なところもありました。でも「一応やってみない?」という感じで誘ってもらって。いざ配信をつけたら「次はいつやるの?」、「明日も待ってるね」という言葉が毎日続いて、それが習慣になったというか。待ってくれてる人がいるんだったらやろうって思ったんです。

──配信を始めてどんな変化を感じていますか?

ASUPI やっぱり人前で歌うのって数をこなさないと慣れないと思うんです。歌だけじゃなくて、手をつけて表現したりというステージングも含めて。ボイトレの教室でも年に1回ライブがあるんですけど、やっぱり年1だと数をこなすということでもないので、急にうまくなったりはしないと思うんです。でも私は毎日歌っていて、画面越しのみんなに表現しているので、慣れって言うんですかね。最初はステージングとかもできてなかったんですけど、数をこなしている分「自分を表現する」というのができるようになったかなと思ってます。

──ライブ配信での失敗談もあればお聞きしたいです。

ASUPI 失敗談というか、負の連鎖というか……やっぱり自分の私生活がうまくいってなかったり、配信の成績が伸びなかったときに「どうしよう、どうしよう」とか「みんな応援して」って焦ってしまったときもあったんです。でも結局は自分が楽しむことが一番だと思うようになって。なんかやっぱりライブ配信ってけっこうメンタル強くないとできないんですよね。波があるので、リスナーさんが来なかったら落ち込むし……みたいな。でもそういうのはもうやめよう、どんなときでも元気でいようというモチベーションで頑張るようにしています。

──ASUPIさんにとってライブ配信はどんな存在でしょうか?

ASUPI 本当に人と人との繋がりというか、私とリスナーさんもそうですけど、リスナーさん同士も同じ土地に住んでいたり同じ職業だったり、そこでの出会いもあるので、私にとって安心する場所なんです。同じ人が毎日来てくれて、さらに新しい仲間が増えて……「みんなで上を目指していこう!」っていう『ONE PIECE』みたいな心強さがあるいうか。昔は「プライベートでしんどいな」、「配信もしんどいな」だったんですけど、最近はプライベートで元気ないなって思っても、配信をつけたらみんながいてくれて逆に元気をもらいますし、向こうも「ありがとう」って言ってくれるので、本当にwin-winな関係だなって。第二の家族じゃないですけど、味方でいてくれる存在なのですごくありがたいです。お仕事としてライブ配信をやっていますけど、それ以上のものが得られていると思ってます。

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