取材・文:鈴木瑞穂(Vocal Magazine Web)
本当に根っこから(声を)出すような感じで、今までやったことがなかった(LuLa)
──このEPには既発の5曲も収録されていて、ミニベスト盤的な構成になっています。選曲はどんな軸で進めていきましたか?
RiRi 最近出した曲たちでもあるんですけど、その中でも特にメッセージ性が強いというか、私たちが今一番伝えたいことが詰まっている曲たちです。特に「Level Up feat. Duke of Harajuku」は、この曲を境に1.0から2.0へのアップデートを遂げたので、私たちのターニングポイントになった曲です。また、「Peach」はこれからの代表曲にしていきたいと思っているぐらい、自分たちにとって強いメッセージを込めて歌った曲でもあるんです。私たちの代表曲「Fxxk Boyz Get Money」と通ずる“強い女性”を打ち出している曲だと思います。
LuLa 「Crawl Away」や「Crystal Ball」は、2.0にアップグレードしたからこそ歌えるようになった歌だなと感じていて。私たち自身の歌声がより反映されていたり、メロディも感情がもっと乗りやすいラインになっています。「Crystal Ball」に関しては二人で作詞していますし、「Crawl Away」も聴けば聴くほどいろいろな想いに浸る歌詞だったりするので、より私たちの“今”を表している楽曲かなっていうので選びました。
──EPの中で一番チャレンジングだった曲を教えていただけますか。
RiRi まあそれは一緒だと思うんですけど、「Crystal Ball」です。
LuLa そうですね(笑)。
──どんな部分が難しかったですか?
LuLa ソウルフルなところ。1stアルバムに入ってる「Unbreakable」もメロディアスな曲調で訴えかけるような曲なんですけど、この曲はさらに、本当に根っこから(声を)出すような感じで今までやったことがなかったです。1年半くらい前から温めていた楽曲なんですけど、ずっと聴きながら“はあ、どういうふうに歌おうかなぁ”って悩みながら取り組みました。
RiRi とにかくパワフルさが必要でしたし、もちろんソウルの要素も入っていて。根っこから(歌う)というのが初めての体験だったので思い出深い曲です。今回の「THE SIX」も歌が難しかったんですけど、この曲は作ったばかりで感覚としてはまだフレッシュなので。
──収録曲は英語詞のため、英語ならではのグルーヴを出すこともポイントかなと感じますが、歌うときに英語だからこそ気をつけていることやこだわってることはありますか?
RiRi 子音を立てることはすごく頻繁にありますね。“TH”とか“TA”とか。例えば“SUNS”という言葉だとしたら、ちゃんと語尾の“S”までしっかり発音する。日本語ではそういうことがないからこそ、英語はすごくそこを意識してますね。歌にパンチが出てメリハリがつくし、言葉が聴こえやすくなります。……LuLaの場合は発音をすごい頑張ったよね。
LuLa ちょっと気を抜くと、英語担当のRiRiから“それ違う”って言われてしまうので、だいぶ意識しないとですね(笑)。自分でもわからない領域もあるので、今のどうだったんだ?っていつもフィードバックをもらいながらやっていて。英語に関しては、“大変”のひと言ですかね(笑)。
──なるほど。ちなみに、歌ったあとの喉のケアはどうしていますか?
RiRi レコーディングで喉を酷使したあとは、やっぱりちょっと痛くなったりするので、加湿したり、あまり喋らないようにしたり。休ませることを大切にしています。
LuLa (小声で)私は龍角散の喉あめを!
──ありがとうございます。それでは、EPの聴きどころを教えていただけますか。
RiRi リード曲「THE SIX」は新曲なのでぜひ聞いていただきたいですし、初めて聴く人へは「Peach」をおすすめしたいです。これからの代表曲にしていきたいなとも思っていますし、強い女性になれそうなガールズパワー満載の曲なので、聴いていただけたら嬉しいです。
LuLa 「THE SIX」のPVもリリースされたんですけど、世界観がドラマにもちゃんとリンクしてるので、ドラマを観ながら楽しんでもらえたらなって思います。また、今作がEPになったことによって、今まで聴いてきた曲も、また感じが違って聴こえることもあると思うので、改めてこのEPを通して楽曲たちを楽しんでもらえたらいいなと思います。
──では最後に、今後はどんなFEMMを魅せていきたいですか?
RiRi 2.0にアップグレードして、さらに3.0はどうなるの?っていう質問もいただくので、私たち自身もどんどん成長していきたいです。“マネキンと人間が仲良くなれるように”というところから活動がスタートしたのですが、もうかなり仲良くなったとも思っています。これからはさらに(関係性を)良くしていけるよう、人間ともっと楽しく過ごすという新しい夢に向かって進んでいきたいです。
LuLa そのうえで、まだ行けていない国もあるので、実際に行ってエージェントの方々との交流がもっともっとできたらなと思います。
リリース情報
EP『THE SIX』
2022年8月17日 配信リリース
配信リンク: https://femm.lnk.to/THE_SIX
<収録曲>
01. THE SIX(MBS/TBSドラマイズム『生き残った6人によると』オープニング主題歌)
02. Crawl Away(3rd Album『Tokyo Ex Machina』より)
03. Level Up feat. Duke of Harajuku(E.P.『404 Not Found』より)
04. Peach(2nd Album『Tokyo Girls Anthem』より)
05. Crystal Ball(3rd Album『Tokyo Ex Machina』より)
06. Private Dancer
出演情報
『The Soap Girls Japan Tour』
2022年10月1日 東京・下北沢251 開場16時/開演17時
前売り券:4,800円 当日券:5,300円
チケット:https://eplus.jp/thesoapgirls/
プロフィール
FEMM
意思を持つ2体のマネキンRiRiとLuLa による、フィメール・ラップ・デュオ。代表曲の「Fxxk Boyz Get Money」は、 欧米を中心に世界的なインフルエンサーから支持され、2014年リリースの1stアルバム『Femm-Isation』が全米Billboard Chartの『World Albums』 でトップ10入りを果たした。
最新フルアルバム『Tokyo Ex Machina』には、BTSを手掛けたJenna Andrews、Doja Catを手掛けたKool Kojakなど、世界的な作家が数多く参加し、パイロット曲「We Got Each Other」は、アメリカの主要ラジオチャートにて12週連続のチャートインを果たした。8月17日にリリースされた最新曲「THE SIX」は、現在放送中のMBS/TBSドラマイズム『生き残った6人によると』のオープニング主題歌となっており、日本国内でも注目が高まっている。
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