取材・文:鈴木瑞穂(Vocal Magazine Web)
歌うときは伝える意識が大事だと思うのですが、ライブだと、もうそれが自然とできている感覚で(LuLa)
──7月に開催したヨーロッパツアーは、FEMM2.0にアップデートして初めてのライブだったそうですが、実際にファンと直接交流し感じた手応えは?
LuLa 全然違いましたね。例えば今までは、自発的に目を合わせたりすることが難しかったのですが、今回は自分たちから目を合わせたり。
RiRi 以前はロボット的な動きのダンスがメインだったので、動きがストップしたときに、目線の先にいる方としか目を合わせることができなかったんですよ。でも今は、自分たちから“こっちサイドの人たち見てる〜?”って目を向けられるようになって。
──それはきっとファンの方も嬉しいですね。
RiRi とっても喜んでくれました。あちらの方々は感情表現も豊かで、特にゲイの方は“キャー!”って、もうそっちの方が目立ってるよ!というぐらいの声量で素敵に応援してくださったり。
──客層は幅広いんですか?
RiRi そうですね。お母さんと来てるような若い子もいますし、ロンドンではメタルTシャツを着ているロック好きの大人の男性もいらっしゃいました。BABYMETALやBAND-MAIDも好きだし、FEMMも好きっていう方もいて、日本の文化を好いてくれている方が一定層いることはすごく嬉しかったです。あとみなさん日本語も喋れます。こっちが“Thank you!”と言っても向こうからは“ありがとうございます!”って返ってくる(笑)。
──すごい(笑)。ライブで歌うときの気持ちは、レコーディングともまた違いますか?
LuLa 全然違うかもです。歌うときは伝える意識が大事だと思うのですが、ライブだと、もうそれが自然とできている感覚で。また、FEMM2.0にアップデートしたことで、よりその幅が広がったというか、ダイレクトにオーディエンスの皆さんの反応も返ってきますし、レコーディングとはまったく違う感覚ですね。
──アップデート後のライブステージでは、マイクの使い方も変わりましたか?
RiRi もともとはダンスの動きを見せたい部分もあったので、ヘッドセットをずっと使っていて。でも最近はハンドマイクに持ち替えて、もう少しラフな動きでやったり、今回のツアーでは特にステージングの新しいやり方を試してみましたね。
──ライブで曲が育っていく感覚みたいなのってありましたか?
RiRi すごくあります。例えば「Come & Go」という曲は、メロウな曲調なので盛り上がるイメージの曲じゃないと私たちは思っていたんですけど、ライブで簡単な振り付けとともに披露したらみんながやってくれて。ライブをきっかけに“これは盛り上がる曲なんだ!”ということに初めて気づきました。
“気づき”繋がりで言うと、私たちが好きな曲と、お客さんが気に入ってる曲が違う場合っていうのがけっこうあって。「Fxxk Boyz Get Money」は1stアルバムで出した曲で、けっこうエッジが効いた激しい内容の1曲なんです。出す前は“こんなに激くて大丈夫かな?”と思っていたのですが、今でも“毎日聴いてるよ!”って言ってくれる方もいるぐらいファンの方が気に入ってくださって、ずっと育ててくれている曲でもあるんです。