強いだけじゃないところも歌にしていけたらいい

──曲作りはいつもどんなふうに進めていくんですか？

Elle　今回の収録曲はすべて海外で作ったんですけど、まずプロデューサーに自分の曲をいくつか聴いてもらって、それを踏まえて、今度は向こうからビートを何個か提案してもらいます。その中から好きなものをピックしたら、もうその場で曲を作り始めるという感じです。

──歌もその場で録りますか？

Elle　そうです。あ、でも本録りは日本でしました。デモを海外で。

──Elleさんがメロディもリリックも作るときは、どちらから浮かびますか？

Elle　メロディから出てくることが多いです。宇宙語みたいに歌ってメロディを最後まで入れて。自分の中で良いと感じたらフック、ヴァースと決めちゃうけど、プロデューサーの方と話して「ここをフックにしよう」と決める場合もあります。

──メロディが浮かぶまではどのくらいかかりますか？

Elle　１秒ですね。

──早い！

Elle　だって本当に好きなビートに乗せるから、もういくらでも出てくる。逆に合わないビートだと何時間やっても出てこないです。

──収録曲の中でイチオシメロディの楽曲はどれですか？

Elle　「I can’t feel it」かな。これはアトランタのスタジオで、Elleも知ってるすごいプロデューサーたちがいる中で録ったから、もう超緊張して。でも“こいつダメじゃん”と思われたら悔しいから、気合いいれて挑みました。この曲はそのときに録ったものを直してないし、ちょっと哀愁漂うペイン系のメロディですごく気に入ってます。当時は“めっちゃヤバイ！　Elleもう世界行けるわ”って思いましたね。

──プロデューサーさんがいる前で宇宙語で歌うんですか？

Elle　そう！　しかもスタジオって大体ブースがあるけど、そこはなくて、エンジニアさんのPCの横にマイクがあるだけで。みんなが周りにいる中で座って宇宙語を歌うみたいな。マジ緊張で汗だくだった。

──ちなみに英語はもともと得意なんですか？

Elle　いや、英語はしゃべれないですね（笑）。

──「DREAM*」の《dripin dripin》のように巧みに英語のスラングも織り交ぜていますが、こういうアイデアはどのタイミングで？

Elle　それは最初から英語で言ってるかも。メロディの中でそういうニュアンスを感じ取ったら、その言葉を入れてます。

──スラングは日々ストックしているんですか？

Elle　普段から聴き過ぎていろいろ知ってるって感じかな。ずっと聴いてたらなんとなくわかるようにもなるじゃないですか。何て言ってるんだろうって調べるし。

──《お尻をぷりぷり》みたいなキャッチーな言葉は意識的に使っている？

Elle　いっつもこんな感じなんですよ。Elleのお尻ぷりぷり過ぎてみんな見てるとか、そんなのばっかり言ってて（笑）。

──あえて使っているというよりは、自然と浮かんでくる言葉を歌ってるような？

Elle　そうですね。

──「baD bitch」の《みんなえるになりたい》だったり、「Cow boy」の《私はglow》といったリリッ……

Elle　うわ！　「Cow boy」懐かしい！

──お、そのときの男の子を思い出しますか？

Elle　いや、これは忘れた（笑）。

──でもリリックから男性のことを歌っていると思うのですが。

Elle　確かに。でもこれはちょっと思い出薄めでしたね。

──そうですか（笑）。話を戻しますと、先に挙げた２曲のリリックのように、アルバムを通して“自分はイケている”という肯定的なメッセージがカッコ良くて憧れるのですが、ラップ始めた当初からポリシーとして持っているものですか？

Elle　そもそもElleは性格がこうだし、自分最高ってずっと思ってます。ただ、精神的にもめっちゃ強いと思ってたけど、実はそうじゃないときもあって。２年前ぐらいから自分ってちょっと弱いのかもって思うときが何回かあったから、これからはそういうことも歌にしていけたらいいな。

──そう感じたのはどんなときですか？

Elle　実際は自分が思い描く自分にまだなれてなくて……ということを考えちゃって、そう明るくいれないときもあったかな。自分が至らない部分があるのももちろんわかってるんですけどね。でも、女の子はみんなそういうときが絶対あるじゃないですか。だからElleもずっとそうではないんだよっていうのは伝えたいかな。

──不安を感じたとき、何か実践してみることはありますか？

Elle　ヤンキー系の曲を聴く！（笑）　でも実際そうなんですよ。Elle美容整形もするんですけど、命を伴うし普通に怖いんです。だからElleの曲みたいに、自分がタフに生きるメッセージを届けてくれる曲を聴くとやっぱり気分もアガります。そういう意味でHIPHOPにはすごく助けてもらってる。自分の曲を聴いて“やっぱElleっててこうだよね！”って感じるし、だからこそ音楽やってて良かったなって思う。

──今後目指すアーティスト像はありますか？

Elle　とりあえず日本統一。

──おお、それは音楽を通して？

Elle　そうですね。まずはHIPHOP。日本だったらHIPHOPは小さい世界なんですよ。その中でまずElleが一番じゃないことがすごく悔しいし、そっからじゃないと話にならない。マジで天下取るぞって感じ。

──楽しみです。では最後にアルバムの聴きどころを教えてください。

Elle　新しい曲もたくさん詰まっているので、そこは楽しんでほしいです。まあでも聴きどころは全部かな！　別にリリックとかじゃなくて、生活の中でさらっと聴いてほしいかなって思う。あと整形に行く前はマジで怖いから聴いてほしい。それと男の子と別れたあととか。

──素敵な恋愛の曲がいっぱい入ってますもんね。

Elle　それぞれのときに一緒だった男の子たちがいてくれたからこそ、このアルバムができたし、ホントありがとうって言いたいですね。

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＜締切：2022年８月14日（日）23:59まで＞
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リリース情報

ライブ情報

アルバム全国ツアー『Elle Teresa“Sweet My Life Japan Tour”』の開催が決定！
７月29日 広島・HERBIE
７月30日 沼津・RoopSounds
８月７日 熊本・SPACE
８月14日 大阪・MadamWoo
８月26日 名古屋・ORCA
９月３日 神戸・ANCHOR
９月４日 京都・KITSUNE
９月17日 岩手・SICKth
９月19日 茨城・GOLD
９月30日 仙台・ART NIGHT CLUB
10月15日 福岡・Voodoo
https://avex.jp/elleteresa/schedule/detail.php?id=1095598

プロフィール

Elle Teresa
　1997年静岡県沼津市生まれ。アーティストのYuskey Carterに見出され、ラッパーとしての活動をスタート。2016年４月にリリースした1stミックステープ『Ignorant Tape』が大きな反響を呼び、ストリート・ファッション誌『WOOFIN’』の＜2016’s Freshman＞に選出。2017年２月に発表した2ndミックステープ『PINK TRAP』ではトラップにフォーカスしたスタイルを確立し、ストリート・ヒットを記録。その後、２本のアルバムリリースを経て、2021年７月７日にavex traxよりメジャーデビュー曲「bby girlll」（ベイビーガール）でメジャーデビュー。
　その日本人離れしたスタイルやキュートなルックスが話題となり、カルチャー誌やファッション誌にも数多く取り上げられ、ポップアイコンとしても注目を集めている。
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