一発目で自分の力でやれるようになりたいと思ったのは、この曲がきっかけ

──今回は両A面シングルになっていますが、「お祭りデビューだぜ！」の最初の印象はいかがでしたか？

広本　私たちが音源をもらったときは、今できあがった音源ほどテンポが速くなかった印象があって、和の雰囲気がある曲だというイメージでした。今は楽器が加わって、テンポもアップして、さらにカッコよくなりました。最初に聴いたときよりも、みなさんと一緒に楽しんで盛り上がれる曲だという印象に変わっています。

北原　「お祭りデビューだぜ！」ってタイトルを知った日にメンバー全員で聴きました。日本の良さを残しながらも今っぽさがある歌詞がすごく好きで、Aメロに日本の美味しいものが書かれているのも好きです。

筒井　「恋のクラウチングスタート」は、私と田代が加わる前にあった曲なんです。まだ披露はされてなかったんですけど、もう歌割りも決まっていたので、みんなが歌っている音源を聴いて真似してたんです。「お祭りデビューだぜ！」は最初からお手本の歌があるだけだったので、自分らしい歌い方も、リズムも難しかったです。

でも、やっぱりお祭りで盛り上がるなら強いほうがいいと思うので、どこで強く歌うといいんだろう？と気をつけて歌ったりしました。音源が完成して他のメンバーの声を聴いたときに、“こういう歌い方があるのか”と気づくことが多かったので、自分自身がすごく学べる曲でした。

──「お祭りデビューだぜ！」の歌唱で苦労したところはありましたか？

広本　私は間にある《セイ×３》の掛け声の部分です。曲のイメージに合わせてやっていたつもりだったんですけど、“違うテイストでやってみて”とオーダーがあって、それに応えるのに苦戦しました。

北原　私も同じです。《セイ×３》で、“もっとパワーが欲しい”と言われました。どうしても自分を超えられなくて、どうしよう………と思っていたときに斉藤円香ちゃんが歌っているのを聴かせてもらったら、私の倍の倍の倍ぐらい力があって。こんなんじゃダメだと思ってもう一度録り直したら、“めちゃくちゃ変わったね”と言ってもらって。

斉藤円香ちゃんのおかげなんですけど、それを一発目で自分の力でやれるようになりたいと思ったのは、この曲がきっかけです。ガヤっぽいところでも、しっかりパワーを出せるようになりたいと思いました。

筒井　私が苦戦したところは、２番のAメロの《先祖代々》なんですけど、そこでいきなり音がなくなるので、リズムがとれなくて。それがすごく悔しかったですね。自分でリズムを刻もうとすると逆にピッチが合わなくなってしまうので、どこからズレているのか自分で見つけられていなくて、そういうところをちゃんと理解していくことが必要だなと思いました。

──「お祭りデビューだぜ！」の特に好きなフレーズはどこですか？

広本　ラストサビで転調するんですけど、転調する前の西﨑（西﨑美空）のパートです。音がなくなるんですけど、そこで西﨑が《私を知るのが祭り》って訴えかけるように歌っているんです。それがすごく好きです。

北原　私は２番の《幸せの味》です。１番のAメロでもお寿司やラーメンなど日本の食事について書かれているんですけど、日本の文化を考えながら《幸せの味》を歌う瞬間が私はすごく好きです。しっかり心で思いながら歌えるので、会場の皆さんに大きく伝えられるように歌いたいと思っているパートです。

筒井　私が好きなところは、最後の《デビューは祭りだぜ！》です。めっちゃ音が高いんですけど、ここを歌っているのが斉藤円香ちゃんなんです。曲の最後に締めることができていて好きです。

──レコーディングのときには、歌詞カードに書き込みをしますか？

広本　私はレコーディングをする前に書き込むタイプです。語尾の長さや切るところを大事にしたいので、事前に書いておきます。

北原　レコーディングの前に歌詞カードに書き込んだことはないんですけど、別に歌詞カードを印刷して、家の壁に張り付けています。それを見ながら聴いて、切る部分を書いたりするんですけど、当日またディレクターさんに教えていただくことが多いですね。

筒井　事前に自分の声を録音して聴いて、自分でどこがダメかを確認して、直していくようにしています。私は歌ってるときに「さ」行がどうしても弱くなってしまって、滑舌でも「さ」を強く言いたいのに、どうしても強くできないことがあるので、歌っている最中も気をつけています。