【インタビュー】HARUNA（SCANDAL）、ニュー・アルバムでの歌唱表現を語る。15年の先に掴んだ「自分らしさ」（撮り下ろし写真掲載）

2022.01.26

取材・文：鈴木瑞穂（Vocal Magazine Web）
撮影：HayachiN

（ソロアルバムを作るイメージは）ないですね。今までもやったことないです。SCANDALがいいって思います。

──HARUNAさん作詞作曲の「夕暮れ、溶ける」の歌詞からは、今のHARUNAさんのありのままのモードを感じます。

HARUNA　もともと《夕暮れ、溶ける》というワードが思い浮かんだところから始まりました。こういう表現はしないけど、ぼんやりいいなと感じることって意外とあるなと思って。言葉にはできないけど、なんかいいなと思えることってあるじゃないですか。生きてるとそれを説明しなきゃいけないことも多くて悩んだりもしたんですけど、でも“直感でいいって思うんだからいいじゃん”という気持ちを表現したかったんです。

だから全体的に抽象的な歌詞ではあるんですけど、雰囲気としていいなってじんわり温かい気持ちになってもらえたらと思いながら作りました。

──メロディにかなり低い音も使っていますよね。

HARUNA　コロナ禍で家のリビングで作り始めたんでそのキーになったんだなと思います。家の中だとそんなに声を張ったりすることもないから、家でリラックスしている状態の自分の声、状態をそのまま反映させました。

──ラストの「one more time」は、SCANDALの皆さんが笑顔で演奏している姿が浮かぶようで、すごく元気をもらえる曲です。

HARUNA　この曲を作ったそもそものきっかけが、コロナ禍でリスナーもミュージシャンも音楽を楽しむ気持ちを少し失いかけている気がしたんです。私たちも楽曲制作につまずいた時期がありましたし。

そんな中、ファンクラブツアーで少しずつライブができるようになったことがきっかけで、音楽が好きな気持ちを取り戻すことができました。そして自分たちが“もう１回音楽を楽しもう！”というメッセージを示すことが大事なんじゃないかと思ったんですよね。

──歌い方も明るくエネルギッシュで、アルバムのラストで輝きを放ちますよね。

HARUNA　曲作りを進める中で、最初は今の自分たちに合った少し落ち着いた声色で歌おうとしてたんですよ。でも、改めて“普通にこの曲を楽しんで歌おう！”って思い直して、あまりいろいろ考えず、純粋にこの曲を表現したという感じです。

──15周年を迎えた今、改めてギターヴォーカルの自分をどのように感じますか？

HARUNA　もはや15年もバンドやっていると、今の自分でしかないですし、その自分がすごい好きなんです。最初と比べると、まったく新しい自分になったなって思います。

──HARUNAさんに憧れてギターヴォーカルを始めた若者たちに、初めの一歩としてアドバイスを届けるとしたらどんなことですか？

HARUNA　例えば速い曲も、自分が想像している以上にゆっくりなテンポで歌いながら弾くのが一番身体に入ると思います。歌とギターをそれぞれ覚えて、いきなり元のテンポで合わせようと思っても難しいんですよ。だから”この歌詞のときにこのコードになる”ということをゆっくり身体に入れていくと、速いテンポになっても追いつけるのでお薦めです。

──HARUNAさん自身はこれからのヴォーカリスト像について、どんな姿を思い描いていますか？

HARUNA　SCANDALをやってきていろいろなジャンルの歌を歌えるなって思うんです。だからそういう、楽しいヴォーカリストでありたいなって思います。こだわって突き詰めるというより、どんなことにも興味を持って楽しんでいられるヴォーカリストでありたいですね。

──ちなみにソロアルバムを作るイメージはないんですか？

HARUNA　ないですね。今までもやったことないです。SCANDALがいいって思います。

──素敵ですね。2022年はワールドツアーも予定しています。ライブに向けて意気込みをお伺いできますか。

HARUNA　すごく楽しみです。YouTubeでも海外からのコメントがすごくて熱狂的に待ってくれているので、きっと行ったら爆発するんじゃないかなって（笑）。この状況になってからは海外に行けず、国外のライブトレンドも未知なので、今までと違う景色が見られるのかという部分もワクワクしながらツアーを廻りたいなと思ってます。

リリース情報

10th Album『MIRROR』
2022年１月26日（水）発売

【通常盤】
CD／VICL-65653／3,300円（税込）

【初回限定盤A】
CD+DVD／VIZL-2001／4,400円（税込）
DVD：SCANDAL DOCUMENTARY “her” Diary 2021 SPECIAL EDITION

【初回限定盤B】
CD＋雑誌／VIZL-2002／4,400円（税込）
雑誌：”her” Magazine Vol.3

【完全生産限定盤】
CD+DVD+GOODS ※豪華 BOX 仕様／VIZL-2003／11,000円(税込)
DVD：MUSIC VIDEO CLIPS (「Living in the city」「SPICE」「月」「eternal」「アイボリー」「one more time」を含む計7曲を収録)
＋MIRRORロングスリーブTシャツ（L size）

＜収録曲＞ ※全形態CD共通
01. MIRROR
02. eternal
03. 愛にならなかったのさ
04. 彼女はWave
05. 愛の正体
06. アイボリー
07. 夕暮れ、溶ける
08. 蒼の鳴る夜の隙間で
09. プリズム
10. one more time
bonus track
01. Living in the city
02. SPICE

※１月26日（水）より各ストリーミングサービス、ダウンロードサービスにて配信スタート。
10th Album『MIRROR』予約特設サイト

ライブ情報

『SCANDAL WORLD TOUR 2022 “MIRROR”』
■国内公演
2022年
３月12日(土)　神奈川・厚木市文化会館・大ホール
３月21日(月・祝) 　兵庫・神戸国際会館こくさいホール
３月26日(土)　宮城・仙台市民ホール
４月９日(土)　福岡・福岡市民会館
４月10日(日)　広島・上野学園ホール
４月17日(日)　北海道・カナモトホール
４月29日(金・祝)　石川・金沢市文化ホール・大ホール
４月30日(土)　愛知・愛知芸術劇場
６月７日(火)　大阪・フェスティバルホール
６月10日(金)　東京・中野サンプラザ
６月11日(土)　東京・中野サンプラザ
■North America
year 2022
07.09 SAT. ーQueen Elizabeth Hall（Toronto）
07.11 MON. ーSony Hall（New York City）
07.13 WED. ーBig Night Live（Boston）
07.15 FRI. ーThe Masquerade（Atlanta）
07.16 SAT. ーHouse of Blues（Chicago）
07.19 TUE. ーThe Imperial（Vancouver）
07.20 WED. ーThe Neptune（Seattle）
07.22 FRI. ーHouse of Blues（Anaheim）
07.26 TUE. ーCanton Hall（Dallas）
■Europe
year 2022
09.22 THI. ーLIDO（Berlin）
09.24 SAT. ー02 Academy Islington（London）
09.27 TUE. ーYoyo（Paris）
※チケットなど詳細はオフィシャルサイトをご確認ください。
https://www.scandal-4.com/

プロフィール

SCANDAL
2006年大阪・京橋で結成。2008年「DOLL」でメジャーデビュー。翌年には「少女S」でレコード大賞新人賞を受賞。国内外問わずに多くのフォロワーを持ち、世界中でコンサートを行なっている。
近年ではファッションアイコンとしても注目を集め、自身のアパレルブランド”Feedback!”をプロデュース。2019年にはプライベートレーベル”her”を設立するなど、名実ともに日本を代表するガールズバンド。

オフィシャルサイトhttps://www.scandal-4.com/
レーベルサイトhttps://www.her-label.com/
Instagramhttps://www.instagram.com/scandal_band_official/
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TikTokwww.tiktok.com/@scandal_band_official