【インタビュー】すぅ(SILENT SIREN)が「NFT IDOL HOUSE」プロジェクトで、自身初のアイドル・プロデュースを担当。「私のDNAが入ったグループなので、いいところは共有していきたい」
取材・文:藤井 徹(Vocal Magazine Web)
撮影:相原 舜
SILENT SIRENのギター&ヴォーカル・すぅが、“NFT IDOL HOUSE”というプロジェクトにおいて、自身初のアイドル・プロデュースを手掛けることになった。
同プロジェクトは、結成されたアイドルのジェネラティブNFTイラストをファンが購入し、コミュニティを通じて一緒にアイドルを育てる新たな試みを行なうという。
昨年12月17日から開始されたメンバー募集は1月12日に締め切りを迎え、いよいよ選考審査がスタートしたばかり。
バンド、作詞提供、モデルなどの多彩な活動を活かして、すぅがどのようなアイドルをプロデュースするのか? またセンターを張るメンバーに求めるヴォーカリストの資質など、多岐にわたって話を聞くことができた。
※インタビューの最後に素敵なプレゼントのお知らせがあります。
パフォーマンスで勝負できるグループにしたい
──まず、すぅさんにとって“アイドル”の概念があれば聞かせてください。答えにくいかもしれませんが、それこそ「SILENT SIRENはアイドルか?」みたいな部分も含めて。
すぅ SILENT SIRENについては、ずっと「うちらはバンドなんだからアイドルなんて言うんじゃねぇ!」みたいな感じで言ってたんですけど、それは最初の5〜6年間くらいで、だんだんと「応援してくれるんだったら、何て言われてても良くない?」みたいな感じになってきて(笑)。それって自分たちに自信がついたからだと思うんですよね。
それまでは(自分たちの)見られ方にすごくこだわっていたので、いちいち訂正してたんですけど、だんだん気にならなくなってきて。アイドルの解釈って本当に人それぞれだと思うし、自分が「キラキラしていて美しいな」、「元気をもらえるな」とか「憧れの存在だな」と思えるものって、すべてアイドルなのでは?って最近はすごく思いますね。
だから(SILENT SIRENは)アイドルじゃないですけど(笑)、そういう風に言ってくれてもありがたくその言葉を受け入れるし、人それぞれの価値観というか……「この人はアイドルだ」って思ったら、それはもうアイドルでいいんじゃないか、褒め言葉として受け取っていいんじゃないかなって。「これはアイドルだ」っていう決めつけは、あんまり自分の中でなくていいかなと思ってます。
──ありがとうございます。今回アイドルのプロデュースをするということで、長い期間をかけて準備をされてきたということですが、「自分がやらなきゃ!」と思った大きなきっかけはあったのですか?
すぅ う〜ん、明確なコレっていうのはないんですけど、アイドルグループのライブを観て心が動いた瞬間というのが何回も重なっていって。歌詞を提供するだけじゃなくて、「自分だったらこういうアイドルを作りたいな。こういうコンセプトにしたいな」っていうのが浮かんできたときに、「あっ、これはもう私にしかできない」って思いました。
──それはもう、すぅさんオリジナルなアイドルの姿だったんですよね?
すぅ 私が知っている限りでは他にないものだったので、「こういうコンセプトだったら新しいな」って思って行動しましたね。
──現存するアイドルと、すぅさんが描くアイドルの共通する部分、違う部分というのはどこでしょうか?
すぅ アイドルっていう土台は一緒だと思うし、オーディションをして成長を見守るっていうのは、どのグループにも共通して言えることですけど、やっぱり【NFT×アイドル】っていうのはなかなかいないし、そこはすごく新しい挑戦なのかなと感じています。“NFT”というのは“Non-Fungible Token”という言葉の略で、替えが効かない一人ひとりの個性を尊重して、一人ひとりが愛されるようなグループにしていきたいなと思っていて、そういう発信をしていきます。
あとは、デビューした子たちのイラストがジェネラティブ方式で5,000体発売される予定なので、そのイラストを持っているとライブへの優待だったりとか、特別なチャンネルが見られるようになったりといった仕組みは作りたいと思っています。
──メンバーを選抜する審査をされるにあたり、パーソナルな部分とグループとして必要なキャラクターという両面で見ていかなければならない部分が出てくると思います。その辺はどう多面的に見ていこうと考えていますか?
すぅ そこがすごく難しいところで、個性を尊重したいなって思う反面、あんまり個性がぶつかり過ぎてもグループとしてまとまりがなくなってしまうので、ちゃんと役割を全うできる子たちを選抜していきたいですね。ダンスがめちゃめちゃうまくて、みんなを引っ張れる子とか、リーダーができるとか、歌がすごくうまいとか……。歌の表現にもカッコいいとか、ちょっと切ないとかもあるから、そこは曲に合わせて柔軟に対応できる子が必要。愛嬌だけで「何とかなるっしょ!」みたいな感じじゃなくて、ちゃんとパフォーマンスで勝負できるグループにはしたいなと考えています。
「自分が絶対センターだ!」みたいな気持ちはもちろん大事ですけど、誰がセンターになっても輝けるグループでいてほしいし、うしろでも誰よりも目立つ子っているので、(ポジションが)どこになってもグループとしての役割を果たせる子とか……あとは、キャラクター性も重視していきたいです。
──その辺のバランスは審査が本格化してからになりますかね。
すぅ たぶんかなり難しいと思うんですよ。一人ひとりで見ると、めちゃめちゃ素晴らしい子たちばかりで、才能がある子もいるし、顔が可愛いとかスタイルがいい子はいっぱいいるんです。だけどグループとして見たときのバランスをちゃんとジャッジしていく必要があるので、そこは時間をかけて審査していきたいですね。
──逆に言えば、すぅさん自身の方向性はブレないということが大事かもしれないですね。
すぅ はい。でも、みんないい子なので、けっこう揺れますよね(笑)。(応募フォームの)文章に左右されたり。全員合格なのになって思いつつ(誰かを)落とさなきゃいけないので。そこは難しいところではあるんですけど、やっぱり特別なグループを作るためには私がしっかりとジャッジする必要があるので、ブレずに「こういうグループにしたい!」っていう信念を曲げず、「ふさわしい」という言い方が正しいかわかんないですけど、そういう子たちを見つけたいなと思ってます。