快進撃が止まらない2.5次元タレントグループ・シクフォニ(SIXFONIA)の、2ndワンマンライブとなる「SIXFONIA One Man Live【Six-tuation】vol.Ⅰ -CHAOS-」。六人六様のキャラクターと魅力で大きな注目を集めグループキャリア2周年を迎えた、今のシクフォニが最大出力で魅せた幕張メッセ公演2日目をレポートしていきたい。
取材・文:島村花
圧倒的な世界観。そして確かなスキルを証明した一夜。
会場に入ると、奥行きある空間がすでに6色のペンライトの光で埋め尽くされている。ステージには6本の柱がそびえ立ち、メンバーの登場を待ち構えているようだ。開演時間を迎え、ダークゴシックなOP映像から始まったのは「Sledgehammer」。ステージに現れた6人はコンセプチュアルな歌唱・ダンスで楽曲の世界観を色濃く表現していく。
つづく「d0gmq」ではラスサビ前、暇72のシャウトが会場を切り裂くように響いた。「SHALL WE GONG!?!? -1stbattle-」は、6人の個性が競り合うように展開していく自己紹介ソングだ。第一ラウンドは暇72の攻撃的なリリックから始まり、対照的なキュートさと狂気を秘めた雨乃こさめのパート、いるまは軽やかさを纏った低音で対抗する。第二ラウンドに入ると、LANは説得力に満ちたリリックをかまし、みことは彼の持ち味でもある爽やかさの中に独占欲が覗く歌唱を披露。ラスト6人目、すちは高いボーカルスキルを遺憾なく発揮し、そのまま楽曲は畳み掛けるようにラストスパートへと突入していく。
MCではそれぞれのキャラクターを存分にアピールしながら挨拶をしていたのだが、メンバーのマイクに次々とトラブルが発生し声が入らなくなってしまう。どよめく会場が急に暗転したかと思うと、ステージに再び現れた6人はMV同様パイプ椅子を用いたフォーメーションへと早変わり。「しっくす。」の歪んだ世界観へと引き摺り込まれたまま「MeDi信」へ。楽曲の進行に合わせてステージはだんだんと崩壊していき、そしてメンバーの消失とともに本公演は終演を迎えてしまった。クレジットムービーが流れる不穏な会場に現れたのは《反撃は終わらない》の文字。ここまでの時間を巻き戻すように世界が再構築されていく演出は圧巻だ。
ここからはソロパートへと突入し、トップバッターはすち。骨太なロックチューン「Breaking down」を披露。《後悔も1ミリも残すなよ!》と会場を熱く煽る姿が印象的だ。つづく雨乃こさめは、エレクトリカルで軽やかなサウンドによって構成された「Rainy Journey」をキュートな振り付けと共に披露し、暇72は自分の存在意義を求めるような楽曲「鏡鬱し」を堂々のパフォーマンス。そして再び6人が再集結し、仮面を手に火柱のあがるステージで「アンダーリズムサーカス」を披露。疾走感あふれるメロディにオクターブユニゾンの歌唱が映える1曲だ。
これまでの曲調からは一転し、美しい和サウンドが響く「Kiss in the Dark」へ。真っ赤なライトに照らされた6人による妖艶なパフォーマンスに、会場からは大きな歓声があがる。つづく「六幻」では、バックモニターにメンバーの歌唱姿にフィーチャーしたカメラワーク映像がつづき、高いボーカルスキルと相まってライブ感をより一層強めていく。
ソロパート後半戦はみことによる「Juliet」のパフォーマンスからスタート。まっすぐな愛を歌うみことのピュアな歌声が会場を包み込んでいく。つづく「Villainous」では激しいダンスの中でもブレない、さすがのラップスキルを披露するいるま。《このグループと俺を選んだお前だけは最後まで愛し抜く》と高らかに宣言する姿が印象的だ。リーダーのLANによる爽やかなポップチューン「Flags」でソロパートは締めくくり。LANの誇る唯一無二の中性的な歌声によって繰り広げられる感情の乗った歌唱が圧巻のステージだ。
ここで、暇72、雨乃こさめ、すちによるリスナー参加型のウェーブ対決が開催され、メンバーカラーで会場を3チームに分けウェーブのスピードを競っていく。審査員である、いるま、LAN、みことによって選ばれた赤色・暇72チームが勝利を納める展開となった。
残された時間もあとわずか。メンバーカラーをあしらったマントを翻しながら魅せるのは、6人の始まりの曲でもある「J0KER×JOK3R」。つづく「Burn it All」では炎の特効演出も相まって会場のボルテージは最高潮へと達する。重厚感あるこれまでの衣装からガラリとカジュアルなライブTシャツ姿へと着替え、ステージに現れた6人が披露するのは疾走感あふれるメロディーが気持ちいい「Desperate Track」。
ラスト2曲を残し、ひとりずつここまでの歩みを振り返りながら自身の想いを言葉にしていく。暇72は苦労の多かった準備期間を振り返りつつも、今回のワンマンライブの成功に充実感を感じていると述べ、すちは、実は足のケガを抱えながらのステージだったことを告白。心配そうな表情を浮かべるリスナーたちへ、必ずケガを治し次のステージへと立つことを約束したのだった。みことは画面越しではないリアルなリスナーとの対面の場にあらためて感謝と喜びを伝え、いるまは、本ライブ1日目の悔しさを跳ね除けるパフォーマンスで2日目を締めくくることができた様子だ。雨乃こさめは苦手意識を持っていたというダンスへも向き合うことで自身の成長を感じることができたと述べ、ラストにマイクを手にしたLANは、涙をこらえながらグループへの愛、そしてリスナーへの感謝を言葉にし、会場からは大きな拍手と歓声が贈られた。
「2 many fighterz」のイントロが会場に響くと、メンバーカラーを採用した6色の銀テープがキラキラと宙を彩る。希望に満ちたサウンドとリリックで会場がひとつになった瞬間だ。さらなる高みへとリスナーを連れていくこと──まだ見ぬ世界をリアルにすることを約束し、「eND oF FaNTaSY.」でフィナーレを迎えた「SIXFONIA One Man Live【Six-tuation】vol.Ⅰ -CHAOS-」。エンドクレジットでは待望のライブツアーの開催が予告され、これからも6人の歩みから目が離せそうにない。
SIXFONIA One Man Live【Six-tuation】vol.Ⅰ -CHAOS-
2024年10月27日(日) 幕張メッセイベントホール Day2
SET LIST
01. Sledgehammer
02. d0gmq
03. SHALL WE GONG!?!? -1st battle-
04. しっくす。
05. MeDi信
06. Breaking down(すちソロ)
07. Rainy Journey(雨乃こさめソロ)
08. 鏡鬱し(暇72ソロ)
09. アンダーリズムサーカス
10. Kiss in the Dark
11. 六幻
12. Juliet(みことソロ)
13. Villainous(いるまソロ)
14. Flags(LANソロ)
15. J0KER×JOK3R
16. Burn it All
17. Desperate Track
18. 2 many fighterz
19. eND oF FaNTaSY.