UNISON SQUARE GARDEN『fun time 歌小屋』1

【ライブレポート】UNISON SQUARE GARDEN『fun time 歌小屋』

ついに最終日となった『UNISON SQUARE GARDEN 20th Anniversary LIVE』。ラストはゲストにクリープハイプを招き対バン形式での公演となった。後半戦となるUNISON SQUARE GARDENのパートをメインにレポートしていく。

取材・文:島村花、撮影:Viola Kam (V’z Twinkle)

盟友クリープハイプとのスペシャルライブ! 対バンで締めくくるUNISON SQUARE GARDENの武道館3daysをお届け

 クリープハイプのライブパートでは、全10曲のセトリの中でUNISON SQUARE GARDENの楽曲「さよなら第九惑星」を披露。結成15周年のタイミングでリリースされたトリビュートアルバム「Thank you, ROCK BANDS! ~UNISON SQUARE GARDEN 15th Anniversary Tribute Album~」でクリープハイプがカバーした1曲だ。尾崎世界観(g、vo)の存在感あるハイトーンボイスが、この曲のヒリヒリとしたエモーショナルを引き立てる。また間奏部分は「シュガーソングとビターステップ」のイントロを使った、粋なアレンジとなっている。

 尾崎はMCでUNISON SQUARE GARDENのことを“すごく大事なバンド”だと語った。時に仲間として、時に競うべき相手として2組が築いてきた絆をクールな声色ながらもリスペクトを込めて語る尾崎の姿が印象的だった。ラストは2018年に FM802 × TSUTAYA ACCESS!キャンペーンソングとして、斎藤宏介(g、vo)も参加した「栞」で締めくくられ、会場からは大きな拍手が贈られた。

 クリープハイプからのバトンを受け取り、3日目となる武道館のステージに立ったUNISON SQUARE GARDENは、2006年にリリースしたインディーズ1stミニアルバム「新世界ノート」から「アナザーワールド」を1曲目に披露。つづく「センチメンタルピリオド」「さよなら第九惑星」も同盤に収録されていた最初期曲たち。武道館ライブの1・2日目では、比較的キャリア中期以降の楽曲が多くセトリ入りしていたこともあり、最終日に彼らのはじまりとなった楽曲が演奏されるというのは、改めてバンドの歴史を余すことなく感じられる、ファンにとってもエモーショナルな流れとなったのではないだろうか。

UNISON SQUARE GARDEN『fun time 歌小屋』2
UNISON SQUARE GARDEN『fun time 歌小屋』3
UNISON SQUARE GARDEN『fun time 歌小屋』4

 4曲目は長くライブでは定番曲となっている「23:25」を披露。《七色のステージに変えてキラキラ》というリリックと共にステージは虹色のライトに照らされ、観客はキメに合わせて拳を高く上げエールを送った。「kid, I like quartet」へと繋ぎ、ラスサビ前では会場が一体感を増していく。「MR. アンディ」「to the CIDER ROAD」ではサウンドは彼らがキャリア初期に携えていた瑞々しさを保ちつつも、演奏や歌声には成熟した重厚感が増している。20年目も、そしてこれからも輝きつづける楽曲たちであることを確信するようなプレイが目の前には広がっていた。

 ここでクリープハイプの楽曲である「イト」をサプライズ演奏。2024年8月28日にリリースされるクリープハイプ初のトリビュートアルバム「もしも生まれ変わったならそっとこんな声になって」に収録されるとのこと。先行して武道館で演奏された本曲は、斎藤いわく“3日間でいちばん練習した”そう。前述のクリープハイプによる「さよなら第九惑星」のアレンジに応えるように、「シュガーソングとビターステップ」のフレーズをアレンジインしたり、なんと2番は田淵(智也(b))が歌唱を務めたりと、スペシャルな1曲に仕上がっている。そして原点回帰的なセトリの中でもひと際存在感を放つ「箱庭・ロックショー」を披露し、残された時間もあとわずかとなった。

UNISON SQUARE GARDEN『fun time 歌小屋』5

 鈴木貴雄(d)のドラムソロプレイでは、ドラムセットから身を乗りだし観客を煽ると、そのまま鈴木のカウントで「徹頭徹尾夜な夜なドライブ」へと傾れ込んでいく。斎藤はステージを端から端まで移動しながら余すことなく観客へと音を届け、田淵はマイクスタンドごとステージを縦横無尽に走り大暴れし、会場のボルテージを最高潮へと導いていく3日間全日セトリ入りとなった「シュガーソングとビターステップ」「フルカラープログラム」を全力投球でプレイし終え、大歓声と拍手のなかステージを去っていく3人。

UNISON SQUARE GARDEN『fun time 歌小屋』6

 最終日は特別にアンコール演奏が急遽決定。“さすがに疲れたよ”とこぼしながらも笑顔で戻ってきたメンバーは、本当に急なことだったようで何を演奏するかステージ上で話し合いを始めた。そして3人での会議の結果、「シャンデリア・ワルツ」が3日間の締めくくりとして選ばれた。

 20周年にふさわしいスペシャルな3日間を見事完走したUNISON SQUARE GARDEN。しかし彼らのアニバーサリープランはまだまだ待っている。9月7日からはオールタイムベストツアーをまわり、10月2日にはTVアニメ『ブルーロック』第2期オープニング主題歌にも決定した最新シングル「傍若のカリスマ」をリリース予定。そして20周年のフィナーレは12月25日に大阪で行われるとのこと。続報を楽しみに待とう。

UNISON SQUARE GARDEN『fun time 歌小屋』7

「UNISON SQUARE GARDEN 20th Anniversary LIVE “fun time 歌小屋”」

2024年7月26日 日本武道館

SET LIST

01. アナザーワールド
02. センチメンタルピリオド
03. さよなら第九惑星
04. 23:25
05. kid, I like quartet
06. MR. アンディ
07. to the CIDER ROAD
08. イト
09. 箱庭ロック・ショー
10. 徹頭徹尾夜な夜なドライブ
11. シュガーソングとビターステップ
12. フルカラープログラム

ENCORE
13. シャンデリア・ワルツ

day1のレポートはこちらから

UNISON SQUARE GARDEN 20th day1

【ライブレポート】UNISON SQUARE GARDEN『ROCK BAND is fun』

day2のレポートはこちらから

UNISON SQUARE GARDEN 20th day2

【ライブレポート】UNISON SQUARE GARDEN『オーケストラを観に行こう』

最新情報

ヴォーカルや機材、ライブに関する最新情報をほぼ毎日更新!