ついに辿り着いた日本武道館。WATWINGの初の武道館公演を観た!

2024.02.23

取材・文:島村 花
撮影:Ryuya Amao

髙橋颯、鈴木曉、桑山隆太、古幡亮、八村倫太郎、福澤希空の6人によって2019年6月に結成された、ホリプロ初の男性ダンス&ボーカルグループWATWING。今大注目の彼らが昨年開催した全国ツアー『Let’s get on the beat Tour』のスペシャルエディションとして、ついに憧れの武道館へ。全24曲の全力パフォーマンスを徹底レポート!

 黒を基調とした衣装の6人が映し出されるオープニング映像が流れる中、ステージにはボックス型の舞台装置が徐々に姿を現わす。ボックスの中から登場した彼らの姿に、会場からは大歓声が上がった。記念すべき日本武道館公演1曲目は新曲「Firebird」。八村倫太郎の“来たぜ武道館!”という叫びを合図に、炎が吹き上がる演出の中で激しいパフォーマンスを繰り広げる。ビリビリと空気が揺れるような低音のビートに合わせ、統率感に満ちた「Runaway」で会場を一気にダークで重厚な空気へと変えていく。特にサビで古幡亮が放つディープで力強い歌声は印象的だ。高貴な空気を纏ったまま、ストリングスの生演奏によるイントロで始まったのは「Shine」。この日に懸ける6人の想いの強さが伝わるような迫真のステージがそこにはあった。「BREAK OUT」ではセンターステージへと移動し、さらにWindy(ファンネーム)の近くへ。途中カメラに抜かれた桑山隆太が、サングラスの下にいたずらっぽい表情を見せるとひと際大きな歓声があがるシーンも。

 ここで一度息を整えMCタイムへ。個性あふれる自己紹介とともに、武道館というステージに立てたことへの喜びをWindyと分かちあう6人。そんな彼らの魅力がぎゅっと詰まった自己紹介ソング「WATW “ing”」へ突入していく。ここまでの挑戦的な空気から一変し、妖艶なムードを漂わせる「The Practice of Love」、髙橋颯の切なげな声色のアウトロが印象的な「I’m Okay」と続く。バックスクリーンの映像と連動したダンスブレイクが見どころの「Turn it up」を披露したあと、練習風景とインタビューを収めたドキュメンタリー映像が会場に流れ始めた。WATWINGが今日、武道館に立つまでに重ねてきた努力や、乗り越えてきた苦悩が刻まれた映像はWindyたちの心にもグッと迫るものがあったに違いない。

 しっとりとした空気が会場に満ちる中、桑山隆太が1台のピアノとともにステージへ。伴奏を務める彼のもとへ、一人また一人とメンバーが集合し「Shooting Star」を歌い上げる。星の輝きのような幻想的なライティングに包まれた会場に、6人のハーモニーが広がってゆく光景は圧巻だ。「ING」、「feel like… this」と心地良いミディアムバラードが続き、武道館までのWATWINGの道のりを表わすような「Only One Life」を披露。2回目のMCタイムでは2組に分かれ順番に衣装チェンジも。福澤希空のチャーミングな天然ぷりが炸裂したり、八村のキュートなカバーダンスタイムもあったりと、色濃い時間となった。

 後半戦はポップなダンサブルチューン「WAIT A MINUTE!」からスタート。エレクトロニックなアレンジが映える「WINGS」に続く「Let’s get on the beat」では、エネルギッシュなダンスブレイクに会場からは大きな歓声が上がった。思わず身体が揺れてしまうようなパーティーチューン「Waves」に合わせてセンターステージまで移動すると、メンバーそれぞれが手に持つエアーバズーカで会場をさらに盛り上げていく。「Sensation」では ハンディカメラを持った6人が縦横無尽にステージを駆け回り、“一緒に遊ぼうぜ!”(八村)とWindyを巻き込んでハッピーな空間を作り上げる。多幸感あふれる空気をそのままに、甘酸っぱい片思いソング「Falling for You」で爽やかなステージを披露し、あらためてWATWINGというグループの持つ、どんなコンセプトも自分たちのものにするスキルの高さに感心させられた。

 残された時間もあとわずか。鈴木曉のハイトーンヴォイスが美しい「Calling」に続いて、「I don’t care」では最後の力を目いっぱい歌とダンスにぶつける姿に胸を打たれる。そしてWindyへのありったけの愛を込めた「Honey, You!」でクライマックスを迎え、盛大な拍手と歓声の中ステージをあとにした6人。今年結成5周年を迎えるWATWINGが全力投球で挑んだ初の武道館公演は、がむしゃらにここまで走ってきた彼らの努力が凝縮された特別な一夜だった。

 心地良い余韻を感じながらも、やはり名残惜しく、会場からは“アンコール”の声がやまない。そんな声に応えるように再びステージ現われた彼らが披露したのは、メンバーも大ファンだと公言するDOBERMAN INFINITYプロデュースの新曲「YO MA SUNSHINE」だ。エキゾチックな熱を感じるサウンドとダンスに、会場のあちこちから“やばい!”という黄色い悲鳴が聞こえてくる。最も多くのステージでパフォーマンスをしてきたであろう、デビュー曲の「HELLO WORLD」、そしてラストは「HERO」で華やかにエンディング……と思いきや、ここまでともに歩んできたWindyからの「Shooting Star」のサプライズ歌唱が最後に待っていた。思いがけないプレゼントにメンバーも涙を流しながらライブの成功の喜びを分かち合い、本公演は幕を閉じた。

 「YO MA SUNSHINE」が早速公演後に配信リリース、本公演の映像作品のリリースが決定、そしてホールツアー開催決定という怒涛の情報解禁もあり、今年もWATWINGから目が離せない1年となりそうだ。

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