“君”との約束を叶えた『いれいすOne Man Live in 日本武道館「Irregular Dice」』。奇跡の一夜を徹底レポート!

2024.02.16

取材・文:島村 花

歌い手グループ史上最速で成長中の6人組歌い手グループいれいす。結成3年目でいれりす(ファンネーム)との約束の地、日本武道館でついにワンマンライブを開催。メドレーを含む37曲を披露した大ボリュームのステージを徹底レポート。

 結成日である2020年10月9日から2024年2月12日まで、1,221日間のいれいすの活動をまとめたカウントダウンムービーが流れ、デビュー曲である「恋の約束」で華やかにスタートした本公演。白を基調としたセットアップにメンバーカラーがアクセントになった王子様ライクな衣装の6人がステージに現われると、会場中から大きな歓声が上がる。メンバーカラーにライトアップされたステージで、それぞれの個性が詰まった自己紹介ソング「推しが見つかる3分ちょい!2023ver.」を披露すると、間髪入れずにコールへと繋ぎ「推せ推せ!いれいす応援団!」で会場は一気にお祭りモードへ。MCでは夢の舞台だった日本武道館というステージに少し緊張を見せながらも、会場に集まった1万人、そして全国の映画館でライブ・ビューイングを観覧中の4万6千人、合わせて約5万6千人のリスナーたちに自己紹介をしていく。

 全力のコール&レスポンスが楽しい「Irregular Quest」、「言いたいことがあるんだよーーー!!」で、リスナーからの“推し”への愛はしっかりとステージまで届いたようで、嬉しそうな表情を浮かべる6人の姿が印象的だ。メンバーのバックで生演奏を繰り広げるいれいすバンドのサウンドが光るのは、TVアニメ『最強タンクの迷宮攻略』のオープニング曲でもある「Brave」。本作で声優初挑戦も果たしたりうらのロングトーンが会場へと熱く響いた。冬にぴったりの甘酸っぱい片思いソング「恋の方程式」では、Ifの“1階も2階もうしろも映画館も、みんな大好きだー!”という告白にひと際大きな歓声が上がるシーンも。

 FAKE TYPE.ワールドが色濃く感じられる「Place to be」で、ポップで狂気的な世界へと誘うと、ステージに現われたテーブルと椅子を使い、MVを再現するように「Paparazzi」を披露。初兎の放つ鋭く攻撃的ながらも、品を感じられるリリックが鮮やかにまとめられた1曲だ。先月リリースされたメジャー2ndアルバム『IRREGULAR BULLET』のリード曲でもある「Clutch」に続いて「Advance」、「RAID OF DICE」、「ジダンダーナイト」、「DOG BOY」、「Crazy Dice」、「DICE」で構成されたメドレーとノンストップのステージを繰り広げるいれいす。あらためてハイスキルな6人が集まったグループであることを痛感するステージ構成だ。

 ここからはソロステージパート。トップバッターを飾るりうらは抜群の歌唱力で「一等星」を披露。自身の感情を乗せ、目の前のリスナーたちに真っ直ぐと歌声を届ける姿に胸を打たれる。続く-hotoke-は爽やかなロックチューン「踊るスカイハート」を、唯一無二のキュートさと力強さを兼ね備えた歌声で届ける。歌声とマッチした軽やかなピアノのハーモニーが心地よい。

りうら
-hotoke-

 「ReinE」は初兎の高いラップスキルが最大限発揮された1曲。スタイリッシュな低音ラップパートとサビの甘い歌声の二面性が楽しめる美しいパフォーマンスを繰り広げる。ないこは、武道館公演にふさわしいリスナーとの絆を歌ったミディアムバラード「レグルス」を披露。彼の誠実な人柄が感じられるような均整の取れた歌声が響いたパーフェクトなステージだった。

初兎
ないこ

 ブルーのレーザービームが会場で華やかに踊る中、全身全霊を込めたロックチューン「Sky Blue」を披露したIf。彼が得意とする英語詞も織り交ぜられた1曲で、パッションあふれる歌声が会場に響きわたった。そしてラストは悠佑によるソロバラード曲「夜想歌」。エモーショナルなギターのサウンドに、力強くも細部まで繊細に感情が込められた歌声が重なる感動的なクライマックスだった。

If
悠佑

 本公演では曲間に、-hotoke-&初兎、りうら&悠佑、ないこ&Ifの3ペアによる、ここまでの活動への想いを紡いだインタビュームービーが用意されていた。それぞれの胸の内を語りながらも、6人が共通して口にしていたのは、ここまでいれいすを信じてともに歩んできてくれたリスナーへの感謝だった。公演中も幾度となく“約束の武道館”という言葉を伝えてきた彼らだが、何よりもリスナーとの武道館の約束を大事にしてきた姿を、この映像からも感じられて胸が熱くなる。

 ライブも後半戦に突入し、オリジナル曲のセンターを賭けた、いれいすメンバーのガチバトル企画『いれいす総選挙』によって選ばれた各メンバーのセンターソングを6連続披露。多幸感あふれるアイドルらしさ全開の-hotoke-作詞「恋星エトワール」、一転して大人の色気を含んだIf作詞の「Blue Moon」。続く初兎作詞の「It‘s Showtime」ではハードなラップパートで会場のボルテージを高揚させていく。りうら作詞作曲のロックチューン「ONE」ではダンスブレイクも披露し、5曲目は反骨精神あふれる悠佑作詞の「逆境ストーリー」で会場の熱は最高潮に達する。ラストは、いれいすの軌跡を描いたないこ作詞作曲「僕らが導く約束の物語」でドラマチックに締めくくられた。

 《いつまでも忘れない この一瞬を 大切な 思い出に》(「Stage!」)、《きっと 一生忘れないだろう ここから見る景色も 太陽のような最高な君の笑顔も》(「Seventh!」)と、残された時間を噛み締めるように「Stage!」、「Seventh!」を歌い上げたあとは、いれいす結成1周年記念ソング「Celebration」、Honey Works書き下ろしの結成2周年記念ソング「君のために生まれてきた」と、いれいすとリスナーの歩んできた歴史を彩ってきたメモリアルソングが続く。ステージを通して感謝と愛を全力で伝えるいれいすに応えるように、会場いっぱいにペンライトの光がきらめき声援が贈られる圧巻の光景に、6人と“君”との確かな絆を感じた。本編ラストは、星空が広がるようにミラーボールの光が会場を照らす中、まふまふによる書き下ろしの武道館公演リード曲でもある「星降るフェアリーテイル」が奏でられる。希望に満ちたサウンドが会場を包み込み、感動的なフィナーレを迎えた。

 別れを惜しむリスナーの声援に応えるべく、アンコールで再びステージに戻ってきた6人。「ENCORE!!」、「Never&Roll」を披露すると、ラストのMCでは-hotoke-が“一度は夢を諦めかけたこともあった”と涙を流した。それでもリスナーとの約束を果たすために、6人誰ひとり欠けることなく、武道館まで走り続けてきたいれいすへと大きな拍手が贈られた。

 ダブルアンコールで本公演で初披露の「Irregular Dice」を歌い、大成功で幕を閉じた『いれいすOne Man Live in 日本武道館「Irregular Dice」』。公演翌日に届いた活動休止のお知らせにはもちろん寂しさを覚えたが、この武道館公演でリスナーとの固い絆を証明したいれいす。アンコール曲「僕らが描いた夢のその先に」でも歌われた《僕らは進み続ける》、その言葉を信じ、彼らを待とう。


いれいす日本武道館公演後コメント

■りうら
始まってしまえばあっという間、まさに夢のような時間でした。この光り輝く最高の景色を見るために、結成したその日から今日まで走り続けてきました。3年前「日本武道館」を目標に掲げたその日の僕は何も持たない高校生で、そんな僕を傍でずっと支えてくれた君には感謝しかありません。「りうら」として歩いた軌跡の隣にはいつも君がいました。今日のライブをもって、初めて本当の意味で1つ目の恩返しができたなと思います。これから先も、どこまでも君と歩いていきたいです。本当にありがとうございました。

■-hotoke-
さいっっっっっこうに楽しい時間でした!!! 素敵な時間を本当にありがとうございます!! ぼくの人生の中で1番輝けたなって思います!笑 ライブの前から泣きそうだなと思っていましたが、案の定泣いてしまいましたね😭 最後のMCでも伝えさせていただいたのですが、今日この日本武道館でライブを出来たことも、君がぼくらに出会ってくれたことも、あの時ぼくがいれいすを辞めずに続ける選択をしたことも、全てが奇跡で、その奇跡の上で成り立っている、最高のライブだったなと思います! 君の一生に残るような思い出になれたら嬉しいです! 今日は本当にありがとうございました!

■初兎
「この日の為に活動を続けてきた」と言っても過言ではないくらい、日本武道館ライブは僕の中で一つのゴールでした。いれいすを結成した日から今日まで、「初兎」でいていいのか何度も悩むことがありました。その度に「日本武道館ライブ」という最初にした約束に支えられてきました。そして今日、ライブが始まった瞬間、約束が叶ったと実感した瞬間、全てが報われたような感覚になりました。他の誰でもない、これを読んでくれている君に、これまで支えてくれた君に伝えたい。僕をいれいすの初兎でいさせてくれてありがとう。これからも一緒に色んな景色を見に行こうね。

■ないこ
僕らの3年間のすべてを出し切った3時間半でした。この舞台に3年という短期間で立つことができたのは、泥臭い努力を続けてくれたいれいすメンバー、いれいすを支えてくださった関係者の皆さん、そして何より、僕らを信じてついてきてくれたリスナーのみんなの力あってのことです。だから、この全員で武道館ライブを叶えられたことは僕の人生で間違いなく一番の誇りであり、武道館で過ごしたあの時間は生涯忘れることのない一生の宝ものになりました。本当にありがとうございます。叶わない夢を叶えるのが僕たちいれいすだから、これからも、いつまでも、何度だって夢を叶えていこう。

■If
日本武道館ライブ、宣言していた通り間違いなく過去最高の、僕の、僕たちの出せる最高を出し切ったライブになったかと思います。おかげ様で本当に美しい約束のステージを、会場だけでなく、全国のリスナーさん含め一緒に創り上げることができました。いれいすに出会えて、君に出会えて良かった。今の僕は、世界一幸せ者だと言い切れます。本当にありがとうございました。

■悠佑
俺の人生で間違いなく一番【生きてる】を実感しました。メンバー全員夢も目標も何もかもバラバラな中グループを組んで初めて一丸になって夢見た「日本武道館」でのライブができて感無量です。俺たちの夢を一緒に叶えてくれてありがとう。支えてくれてありがとう。 一緒に走ってくれたから、君と俺たちだから叶えられたんだよ! このライブは間違いなく一生の思い出に、宝物になりました。


公演情報

『いれいすOne Man Live in 日本武道館「Irregular Dice」』
2024年2月12日(月・祝)
日本武道館

<SET LIST>
01. 恋の約束
02. 推しが見つかる3分ちょい!2023ver.
03. 推せ推せ!いれいす応援団!
04. Irregular Quest
05. 言いたいことがあるんだよーーー!!
06. Brave
07. 恋の方程式
08. Place to be
09. Paparazzi
10. Clutch
11. Medley(Advance/RAID OF DICE/ジダンダーナイト/DOG BOY/Crazy Dice/DICE)
12. 一等星(りうらソロ)
13. 踊るスカイハート(-hotokeソロ)
14. ReinE(初兎ソロ)
15. レグルス(ないこソロ)
16. Sky Blue(Ifソロ)
17. 夜想歌(悠佑ソロ)
18. 恋星エトワール
19. Blue Moon
20. It’s Showtime
21. ONE
22. 逆境STORY
23. 僕らが導く約束の物語
24. Stage!/Seventh!
25. Celebration
26. 君のために生まれてきた
27. 星降るフェアリーテイル
ENCORE
01. ENCORE!!
02. Never &Roll
03. 僕らが描いた夢のその先に
W.ENOCORE
01. Irregular Dice

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