“声が出るようになった”実感の声が続々! 「声・発声のためのエクササイズ」ワークショップの様子をレポート!

主催:西川佳甫(Natural Voices代表・ボイストレーナー/『歌スク』講師)
モデル:穴井裕里恵(ジャイロキネシス®︎トレーナー/ダンサー)
カホン奏者:丹菊基雄(プロドラマー)
Supported by:歌スク

〜“世界にひとつしかない、あなたの声の可能性”をもっと引き出す〜
オンライン・ヴォーカル・レッスン『歌スク』講師でもあり、Natural Voices代表・ボイストレーナーの西川佳甫先生による、『声•発声のためのエクササイズ』ワークショップが 2023年10月15日(日)に御茶ノ水RITTOR BASEで開催。本イベントは、声と発声のためのコンディショニングを学ぶビデオ講座の発売を記念し、講座の内容を体験できる実践型のワークショップとして開催されました。

当日は、「リラックス発声のための、重心の安定と体幹力アップのエクササイズ」、「口角と響きがアップするエクササイズ」というふたつのプログラムを実施。ワークショップの様子は『歌スク』YouTubeライブでの同時配信も。参加者から「声が出るようになった!」という声が続出した本ワークショップの様子をお届けします!

「リラックス発声のための、重心の安定と体幹力アップのエクササイズ」(13:00-14:30)

 当日は雨が降っていたが、ピアノやカホン、ヨガマットが準備された楽しげな会場に、時間通りに多くの参加者が集まった。

 “みなさん、本日はようこそいらっしゃいました!”と主催の西川佳甫先生が元気よく挨拶。西川先生はボイストレーナーであり、スポーツトレーナーの「NSCA-CPT」(全米ストレングス&コンディショニング協会認定パーソナルトレーナー)と「口角美サポーター」というお口の中のケアをお伝えできる資格、さらに「呼吸トレーナーC」という呼吸のケアやトレーニングが行なえる資格を所持している。“声が出るようになるための身体作りをする”という観点から、姿勢・呼吸・お口と、全体的に診ることができるボイストレーナーである。

 “今日は声がどんなふうに変わっていくのかを楽しみながらやっていきましょう”と伝えると、最初に声のお悩みについてヒアリング。
「歌っているときにどうしても力んでしまう」
「今日みたいな雨の日や季節の変わり目は体調が悪くて、声が出づらかったりする」
「息がもたない」
 と、さまざまな意見が挙がった。

 まずは歌うときの姿勢を確認するべく、ふたりペアになって発声練習の様子をスマホで撮り合う。大きな声や高い声を出すときは、どうしても力んで姿勢がブレることがあり、だんだん喉が苦しい発声になってしまうことがある。“それを改善するには、下半身のほうにエネルギーをどれだけ落とせるかに鍵がある”とのことで、今日はそれを体験できるプログラムになっているのだ。

 ここで、本エクササイズのモデルを行なうジャイロキネシス®︎トレーナー/ダンサーの穴井裕里恵さんと、カホンでリズムを刻むプロドラマーの丹菊基雄さんも登場。おふたりは西川先生のビデオ講座にも出演している。

 ビデオ講座の初級編(『身体をほぐしましょう! 抗重力筋のストレッチ<初級編>』)から、「息を吐きながら身体をねじりましょう」など4つのメニューを実践した。

 続いて寝転がり、ビデオ講座の上級編(『高音域をラクに出すには? 歌う持久力、体力を育てる呼吸トレーニングと腹筋/体幹筋群を鍛えるメニュー<上級編>』)から、長く息を吐くトレーニングへ。 “最初よりも長く吐けた人?”との投げかけには、多くの人が手を挙げた。

 次に、“体重がまっすぐ落ちる場所を探し、それを歌っている最中も保っていただきたい”との説明があり、重心の安定を意識しながら声出しを行なった。さらに中級編から「椅子を使ったスクワット」と、上級編から「バランスクッションを用いたエクササイズ」を続けて実践。

 バランスクッションを用いたエクササイズでは、“この上でスクワットをしましょう!”との声かけに苦笑の表情も見えたが、なんとか身体の使い方をマスターしようと取り組む参加者の真剣な姿が印象的だった。

 バランスクッションに乗ったままと降りた状態で発声練習を行ない、効果を確認。“立ちやすくなった”、“声が自然に出るようになった”などの嬉しい声も寄せられた。最後にカホンのリズムに合わせて、エクササイズをひと通り復習。先生が会場を回りながら一人ひとりのフォームをチェックし、指導を行なう。

 “今日は「立って歌うときに重心が下に下がるように」というテーマで、下半身も動かしていきました。身体がほぐれてきたら、次は立ったときに拇指球、小指球、踵の3点で体重を受けられるように工夫してみてください。よくわからなくなったときは椅子を使ったスクワットをすると、足の裏に体重が移動する感覚がよくわかります。さらにバランスクッションを使うと、より下半身が鍛えられていき、声にも反映されていきます”と、エクササイズの内容をまとめる。最後に、“ぜひ自宅でやってほしいです!”と締めくくり、第1部は幕を閉じた。


「口角と響きがUPするエクササイズ」(15:30-17:00)

 1部から続けて参加の方も、新たに参加する方も集まり、第2部がスタート。この回では、首まわりのストレッチやマッサージ、そしてお口の中のケアを伝えていくとのことで、ビデオ講座『表情筋の活性化で笑顔力もUP! 声と発声のためのオーラルケア&エクササイズ』のメニューを中心に展開。まずは「胸鎖乳突筋のストレッチ」など3つのメニューで首まわりをストレッチ。

 続いて、「朝活ボイトレ」記事より「首のリラックスマッサージ」、ビデオ講座から「呼吸と一緒に行なう首の後ろ側のストレッチ」を紹介。

 ここからはオーラルケアへ。最初に、実施前後の違いを確認するべく自分の顔をスマホで撮影。さらに北原白秋の「五十音」を音読し、言いにくかったところを事前に確認した。お口の中をマッサージすると、筋肉が活性化され声が出しやすくなるとのことで、このあとが楽しみだ。

 早速ゴム手袋が配られ、口腔内マッサージ用のジェルを口の中に塗っていく。スクリーンには顔の筋肉図が映し出され、表情筋の仕組みとともにマッサージのポイントを解説。歯科衛生士さんが開発した手技のため、安全かつ効果的に行なえるのだそう。そして先生は「口角美サポーター」の資格を所有しているため、一般の方々にこの手技を正確に伝えることができる。

 オーラルケアを実施すると、“口まわりがスッキリしている!”、“唇の色が明るくなった!”などの声が聞こえ、お顔に明らかな変化が感じられたよう。改めて北原白秋の「五十音」を音読すると、“言いやすくなった”、“口角が上がったことで、発音もハッキリした感じになった”と発声にも変化を感じられたようだ。

 ここから寝転がって呼吸のトレーニングへ。“呼吸するとき胸とお腹が一緒に動くように意識してみよう”とのアドバイスのもと、テンポ60のカホンのリズムに合わせ、息を吐いたり止めたりコントロールする練習を行なった。座位、そして立ち上がって呼吸トレーニングを続ける。3点重心(拇指球、小指球、踵)で立つことや、息を吸うときに舌を挙上させることを意識。発声練習に移り、ふたりペアになってお互いに歌う姿や呼吸の様子を観察した。

 すべてのプログラムを終え、先生がワークショップの要点を伝える。
 “第1部では身体の重心を落とすことを重点的に行ないました。バランスクッションを使ったり、座った状態から体重移動を感じながら足でしっかり立つことを覚えたり。さらに、第2部で行なったお口のケアによって口腔内を緩めれば、息の気道が確保されるので発声が楽になるのと同時に、共鳴が増し、発音しやすくなります”。

 “身体が硬いよ、ということであれば「1」(初級編)、重心のコントロールに取り組みたい方は「3」(上級編)を選んでいただいたり、そんな感じでビデオを選んで、ご自宅で練習していただくと嬉しいなと思います。なかなかお家で声を出しづらいけど、身体のために何かしたいという方はぜひ、身体を楽器にするようにコンディションを整えていただけたら、効果的な練習になるかなと思います!”と締めくくり、ワークショップは終了。

 事後アンケートでは、「非常に満足した」との声が続々と届いた。参加者のコメントを以下に紹介したい。

<参加者コメント>

 僕は、ワークショップを体験してから、息が吐けるようになり、より多くの息を吸えるようになりました。そのおかげで長いフレーズを最後まで歌い切れるようになりました。口腔ケアを体験してから呂律が回るようになり、イタリア語などの発音もスムーズに言えるようになりました。(男性A/大学生・声楽専攻)

 ワークショップ後、おもに重心(足の裏の感覚)を意識して歌っています。低中音域あたりは深みが増したと友人から言われましたが、音が高くなるにつれ変なところに力が入る癖がまだあるので、それを直すのが今後の課題になりそうです。また身体が硬いことについてはずっと気づいてましたが、自分自身真剣に改善しようとは思っていませんでした。先週のワークショップを機に家でもストレッチなどを実践しています。大きな変化があればまたご連絡させていただきます!(男性B/大学生・声楽専攻)

 僕の発声の選択肢が前のワークショップで増えました。ありがとうございます。歌自体は呼吸が自然にできるようになったという点です。しかしそれ以上に、歩く時の足の使い方を習って実際歩いてみると、歩くのが楽になり疲労も溜まりにくくなりました。これは歌にも影響してくると思うので、いろいろ考えていかせていけたらなと思います。重心をどれだけ下に持っていけるかを意識だけでなく、理論立てていけたので今後の歌いやすさに繋がりそうで嬉しいです。まだまだ癖が残っているので大変ですが、毎日やって進んでいけたらと思います。また機会があればよろしくお願いいたします。(男性C/大学生・声楽専攻)

 私は普段から首まわりや肩などが硬くなりやすく、そして下半身もとても硬いので、その影響が発声にも現れていました。しかし今回のストレッチなどを活用することで、呼吸の改善と、高音を出すときの首まわりの硬さが軽減され、歌いやすくなったと感じました。その後の練習でも歌詞の言いやすさなども実感しております。今後も継続していきたいと感じました。ありがとうございました。(男性D/大学生・声楽専攻)

 ワークショップの中で舌を上顎に密着させて鼻から深く息を吸うという呼吸法をレクチャーして頂きましたが、この呼吸法を意識している時としていない時では重心の高さや体への力の入り方に差がでます。やはり意識してるときには重心が低い位置を保っていて、脱力した状態での発声が出来ている感覚があります。またワークショップ後に癖で左側に重心が偏ってしまう件についてアドバイスを頂きましたが、また効果が出てきましたら報告させて頂きたいと思います。(男性E/大学生・声楽専攻)

 本ワークショップで紹介されたビデオ講座の概要は記事の下部に記載している。この機会にぜひ、おうちでのエクササイズを実践、そして声が変化する様子を体感してみていただきたい。


ビデオ講座『声・発声のためのエクササイズ』について

タイトル:『声が出やすい身体になる! 発声・声のためのエクササイズ』
レッスン回数:全4回
形式:オンライン動画
価格:1,980円(税込)/1レッスンあたり
視聴方法:『歌スク』にメンバー登録いただいたのち、ご視聴可能となります。
https://uta-school.jp/register

登壇者プロフィール

西川佳甫
Natural Voices代表・ボイストレーナー 
岐阜県出身。中学時代からギターの弾き語りを始め、高校時代はバンド活動を楽しむ。上京後、都内で音楽教室の運営と指導をしていたところ、声帯結節を発症。手術後のリハビリを受けた言語療法士の渡辺陽子氏に音声についての指導を受ける。その後、拠点を岐阜に移しフリーとして活動後、Natural Voicesを設立。NSCA-CPT(全米ストレングス&コンディショニング協会認定パーソナルトレーナー)を取得し、ヴォーカリストや楽器演奏者のコンディションを整えるスポーツトレーナーとしても活動を始める。また、「口角美™️サポーター」資格を取得し、声のための口腔ケア(オーラルフロアアップ)を伝える取り組みを開始。さらに「呼吸トレーナーC」という呼吸のケアやトレーニングが行なえる資格も所有している。
https://www.naturalvoices.net/
『歌スク』西川先生 体験レッスンはこちらから:
https://uta-school.jp/teacher/detail/21

丹菊基雄
プロドラマーとしてさまざまなアーティストのサポートを行なう。また『NHKのど自慢』にも出演してドラムを担当。現在は『のど自慢』文化でもあるバンド演奏の復活を模索中とのこと。FMトワイライト元パーソナリティ。TAMA DRUMS、Zildjian Cymbalsエンドーサー。
https://www.instagram.com/sieg0309/
https://www.facebook.com/motoo.tangiku/?locale=ja_JP

穴井裕里恵
ジャイロキネシス®︎トレーナー/ダンサー/振付家
1992年生まれ。4歳より愛知県犬山市にてクラシックバレエを始める。
2015年ニューヨークへ単身渡米、トレーナーライセンスを取得し帰国。
2020年犬山教室(愛知)開講。現在は振付家、バレエ講師としても活動中。
https://mosh.jp/yre_gyro/home

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