【ライブレポート】河村隆一プロデュースの2組が登場。COTTON CLUBショーケース公演をレポート

2022年6月24日 @ COTTON CLUB
取材・文:田代 智衣里(Vocal Magazine Web)
撮影:山下深礼

河村隆一が6⽉24⽇(金)、東京・COTTON CLUBにてショーケース公演となる『Ryuichi Kawamura Presents NRS Showcase Live 2022 COTTON CLUB』を開催した。“NRS”とは、河村がプロジェクトリーダー&プロデューサーを務める正真正銘の“ホンモノ”をマネージメントするクリエイティブ集団で、今回所属アーティストとしてお披露目されたのがロックバンドのOffshoreと、女性シンガーのhkrである。

河村は6月19日、21日、23日、25日の4日間、単独公演の『Ryuichi Kawamura Live 2022 at COTTON CLUB』を1日2ステージで開催する中、自身が見出した2組のアーティストを紹介する特別公演を行なった。ヴォーカル・マガジン・ウェブでは、6⽉24⽇の2ndステージをレポートする。

各テーブルにロウソクが灯るジャズクラブ。THE 1975の「chocolate」をBGMに、食事を楽しみながら登場を待ち望む観客の声が聞こえてくる。開演時刻になりSEのSun Rai「San Francisco Street」が流れると、会場の照明が落ち、群青色のステージに5人が姿を現わした。その名はOffshore。俳優としても活動しているArata(vo、g)を始め、KAI(g)、佐倉なる(d)によるロックバンドで、この日はサポートメンバーに優月.(b)、そして河村のサポートでもお馴染みのピアニスト葉山拓亮を迎えた布陣となる。

Offshore
Arata(vo、g)

「このまま遠くまで」で幕を開けると、洗練されたサウンドと甘い歌声が潮風を運んでくるよう。爽やかな世界の中に、時折クセのある歌表現が光る。歌声を聴くだけで、隆一へのリスペクトが伝わってきた。“初めまして、Offshoreです。NRS所属のOffshoreとして初めてのステージがCOTTON CLUBで、たくさんの皆様にお集まりいただき本当に幸せです。ありがとうございます”と語ると、力強いドラムフィルから始まる「色彩」へ。

Arata(vo、g)
KAI(g)
佐倉なる(d)
優月.(b)

“Offshoreは今日、hkrさんや隆一さんのバックで演奏するという重大な任務が残っている”と語られたように、この後もOffshoreは本公演を彩った。最後に「We are meant to be together」を披露すると、hkrを呼び込む。クイーン・オブ・ソウルの異名を持つアレサ・フランクリンVer.のビートルズの名曲「Let It Be」、「Eleanor Rigby」を歌唱すると、伸びやかな歌声で空間を塗り替えていく。

hkr

プロデューサーとなる河村は、歌表現については本人の自由を尊重し、声に合ったマイク選びなどの機材についてアドバイスすることが多いそうだが、本公演でhkrはノイマンのKMS104を使用。声楽科出身である彼女のふくよかな歌声が深く響きわたり、これまであまり歌ってこなかったというブラックミュージック、ジャズにおいても、透明感ある個性を感じさせた。

hkr

“hkrという名前でライブをさせていただくのは今日が初めてとなります。河村隆一さんにプロデュースしていただけることになり名前をご相談した結果、このような形で本日産声をあげることになりました。hkrにとって誕生日みたいなものです”と、アーティスト名が決まった経緯も語られた。続く「My Song」では繊細な感情表現で、吐息まで耳に運ぶ。“これからどんなジャンルに転んでいこうか話し合っている”という言葉もあり、今後の活動が待ち遠しい。

河村隆一

続く3組目には、白いジャケット姿の河村隆一が登場。“今日のイベントはみなさんに温かく支えていただいて、本当に良いものになっている”と早くも手応えを感じている様子で、“OffshoreはLUNA SEAのPA小松さんに、良いバンドがいると紹介されたことから出逢い、hkrは歌だけを聴いて、こんなに歌える人がいるんだと思った”と2組との出逢いを話す。

“2組に共通するのは、ユニークでありスタンダードになりうる力を持っていること。聴いていて心地いい声には共通点があると思うが、Arataもhkrも個性に満ちているので、僕はすごく可能性を感じている。これからも2組のアーティストをよろしくお願いします”と丁寧に紹介した。

そして歌唱したのは、「見上げてごらん夜の星を」。葉山のピアノに乗せて会場全体を豊かな声量で満たしていく。Offshoreがバンドインすると、音を感じながら自由自在なフェイクで泳ぎ、ひとつひとつの言葉を心の奥底に置いていくよう。続く「ムーンリバー」ではオクターブ歌唱を取り入れ、抑揚ある歌表現で魅了。両ポケットに手を入れる河村をブルーとピンクの照明が照らしている。間奏では口笛を鳴らし、優雅な世界へ誘った。

河村隆一

MCでは、“音楽との向き合い方が若い頃からどんどん変わっていて、LUNA SEAを結成したばかりの頃は売れようとして登っていくけど、登った先には人気という目に見えないバロメーターを追いかけていくことから離れて深呼吸したくなる瞬間も来る。歌をやりたくないなって甘えた気持ちが生まれたり、LUNA SEAを終幕したり、ソロでも活動を控えるようになるシーンが正直あった”と、自身が音楽と向き合ってきた道のりを振り返る。

“その先の音楽との向き合い方には、職人の魂があった。洋楽もいろいろ聴いてきた中で、名盤の中に名を連ねる楽器を、人は皆いい音だと思っている。僕もその楽器に負けないような声を作るためには、どんな努力をしていったらいいのか。そういう気持ちでモチベーションがまた再燃してくるんです”と語り、現在の歌にかける思いが伝わってくる。

さらに、“今日初めてお披露目した彼らには、僕の持っている感覚を伝えながらも、ジャッジは彼らがする形で進んでほしいし、5年、10年したらすごいバンドがいるぞって、日本中が世界中が気づいてくれるような日が来るんじゃないかなと楽しみにしています。よろしくお願いします”と愛情に溢れたメッセージも語られた。最後に「ゴッドファーザー ~愛のテーマ~」を披露すると、颯爽とステージをあとにした。

Artata(vo、g)

アンコールでは最初にOffshoreが登場し、「青の約束」を披露。Arataが“再び登場していただきましょう!”と河村とhkrを呼び込むと、「上を向いて歩こう」をセッションで歌唱。それぞれの歌声をフィーチャーしながら声を重ね、ラストは《一人ぽっちの夜》でユニゾン。特別な一夜の幕を閉じたのだった。


公演情報

『Ryuichi Kawamura Presents NRS Showcase Live 2022
6月24日(金)東京・COTTON CLUB
2ndステージ 19:00/20:00

<Offshore>
01. このまま遠くまで
02. 色彩
03. We are meant to be together

<hkr>
01. Let It Be
02. Eleanor Rigby
03. My Song

<河村隆一>
01. 見上げてごらん夜の星を
02. ムーンリバー
03. ゴッドファーザー ~愛のテーマ~

<encore>
01. 青の約束(Offshor)
02. 上を向いて歩こう(セッション)


関連リンク

NRS オフィシャルサイト:https://newrisingsun.co.jp/

河村隆一 オフィシャルサイト:https://www.kawamura-fc.com/
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河村隆一 オフィシャルYouTubeチャンネル:https://www.youtube.com/channel/UCqNhx7_UFWo8tUqx3V62d4A

Offshore オフィシャルTwitter:https://twitter.com/offshore_99/
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Offshore オフィシャルYouTubeチャンネル:https://www.youtube.com/channel/UCQDX8Sc-El0MoXWuHYdwk7A

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