Novel Core、初のバンドセットで挑んだZeppワンマン「このバンドで、このチームで、日本の音楽シーンを巻き込むようなワクワクを作っていこう」
2022.06.25
取材・文:鈴木瑞穂(Vocal Magazine Web)
ライブ写真:ハタサトシ
ラッパー/シンガーソングライターのNovel Coreが、6月3日(金)にKT Zepp Yokohamaでワンマンライブ『Novel Core 1st ONEMAN LIVE “I AM THE TROUBLE”』を開催した。
Novel Coreは、『BAZOOKA!!! 第12回高校生RAP選手権』を最年少で優勝し、Zeebra主宰レーベル“GRAND MASTER”との契約を経て、SKY-HI主宰のマネジメント/レーベル“BMSG”に第一弾アーティストとして移籍。2021年12月には1stメジャーアルバム『A GREAT FOOL』を発売し、2022年1月に川崎 CLUB CITTA’にてバースデーライブ『“A GREAT FOOL” BIRTHDAY LIVE』を開催。その後、初の全国ツアー『A GREAT FOOL TOUR2022』を含め、全公演を即ソールドアウトさせるなど、勇往邁進し続けているアーティストである。
そんな彼が挑んだ今回のワンマンライブは、初のバンドセットで届けられることとなった。『“A GREAT FOOL” BIRTHDAY LIVE』が自身のライブの“エピソード0”だとすると、今回が“エピソード1”にあたるという。そんな “デビュー戦”となった本ライブより、本稿では夜公演の様子をレポートする。
細部までこだわり抜かれた圧巻のステージ演出
開演と同時にSEが轟々と鳴り響き、けたたましいコーラス音とライトの点滅が激しく呼応してライブの幕が上がる。バンドメンバーの佐藤 響(d)、クマガイユウヤ(g)、DJ KOTA(DJ)が並ぶステージ上、Novel Coreがステージ最上段に姿を現わすと、OUTER(ファンの呼称)からは割れんばかりの拍手が贈られた。Novel Coreが“さあ始めようぜ、Zepp”とクールに言い放つと、ライブタイトルの新曲「TROUBLE」がスタート。
ステージ演出も圧巻で、まず、照明の数がえげつなかった。いくつもの光がステージを色鮮やかに彩ったり、レーザーのように場内を射抜いたり。そして、それに重なるようにダイナミックな映像美が描き出されるのだ。Novel Core&チームのプロデュース力が、細部までこだわり抜かれたステージの完成度の高さに体現されている。
2曲目に叩き込んだのは、1stアルバムからリードトラックの「A GREAT FOOL」。冒頭、バンドメンバーが勢いよくソロプレイを披露し、生楽器の圧倒的な音圧で原曲をさらに際立たせていく。Novel Coreは喜びを爆発させるように“OUTER、会いたかったぜ!”と叫び、OUTERもそれに応えるように大きな拍手で心を重ねた。
ここで、突如スクリーンに “WAGAMAMAくんこと、ワガママ男くん”が登場。彼は「WAGAMAMA MONDAIJI」のMVに登場するCGキャラクターである。照明を勝手に動かしたりやりたい放題の彼にNovel Coreがツッコむという笑劇で会場を楽しませたあと、ワガママ男くんの曲フリから同曲へ突入すると、フロアからはハンドクラップが沸き起こった。
この勢いのまま「DOG -freestyle-」で高速ラップを炸裂、「Satsutaba Famillia」、「WIN feat. AK-69」と披露するごとにアグレッシブさを強めて曲を続け、“まだまだ足りねえよ!”と煽りながらオーディエンスを圧倒。ノンストップで「PANIC! feat. SKY-HI」になだれ込むと、ゲストにSKY-HIが登場! SKY-HIの魂のラップとNovel Coreの艶やかなヴォーカルによる音色のシナジーが聴く者の心をガッチリ掴んだ。
MCではバンドメンバーを紹介しつつ、それぞれの運命が絡み合って生まれたバンドなのだと明かす。佐藤(d)はNovel Coreが15歳のとき、渋谷の路上でセッションを重ねた仲間で、当時からいつかライブでドラムをお願いしたいと伝えていたそう。Novel Coreは今回、その約束を己の力で有言実行してみせたというわけだ。
さらに、Zeppまで来ることができたのは、“莫大なアイデアと自分を信じ抜く力”を守り抜いてきた結果だと語る。人は“見たことないもの、感じたことのないもの”を怖がり批判するけれど、それこそが人をワクワクさせる。だからこそ“このバンドで、このチームで、日本の音楽シーンを巻き込むようなワクワクを作っていこう”と熱いメッセージを送った。
“人生の舵は自分たちで取っていこうぜ”という言葉を裏付けるように「Doze Off feat. SKY-HI」のリリックを放つと、すかさず「BOSS feat. Zeebra」のイントロに突入。2ヴァース目に登場したのはもちろんこの人、HIPHOP界のレジェンドであり、Novel Coreにいち早く目をつけ、GRAND MASTERに迎え入れた男、Zeebraだ。互いに卓越したスキルで《I’m the boss of my area》と誇示する白熱のパフォーマンスを繰り広げたのち、ふたりは熱い握手を交わしてステージをあとにする。