にしな、3度目のワンマン・中野サンプラザホール『虎虎』をレポート。にしなの覚悟と繊細な歌表現

2022年4月17日 @ 中野サンプラザホール
取材・文:田代 智衣里(Vocal Magazine Web)
撮影:Kana Tarumi

にしな が4⽉17⽇(⽇)、東京・中野サンプラザホールにて『虎虎』東京公演を開催した。昨年6月に初のワンマンライブ『hatsu』をZepp Tokyoで行ない、今年4⽉2⽇(土)の『虎虎』⼤阪公演を経て、にしな にとって通算3度目のワンマンライブとなった。会場の物販ではレシートにも“虎虎”イラストがプリントされ、観客の笑みが溢れていた。

ハンバート ハンバートの「虎」をBGMに、青く染まったステージ。バンドメンバーが登場し楽器をかき鳴らすと、観客は拍手で迎える。するとスポットライトに照らされた にしな が、ギターを抱えて姿を現した。「スローモーション」で幕を開け、「真白」へ。紅色に染まるステージとギターのカッティングに、乾いた歌声が映える。「夜になって」ではギターを下ろしハンドマイクに。左は青、右は赤、センターの にしな は紫色に照らされ、“重なり合ったひととき”を歌に徹して表現した。

“虎虎にお越しくださりありがとうございます。にしな です”。
一言MCを挟むと、ステージ一面を青色がぼんやりと包み、「ダーリン」へ。《恋を優しく吹き消す夜》の「う」の母音が空間を漂い、繊細に響き続けた。「centi」では手を広げてくるりと回りながら、ゆらゆらと自由に歌い、声を放っていく。にしな 特有のフェイクは最後の息遣いまで繊細に、楽器隊とともに心地よく消えていく。続く「夜間飛行」では、時折泳ぐような仕草でステージ上を舞った。

温かなオレンジの照明にぽつりと照らされた にしな が「モモ」を弾き語ると、観客は息を潜めるようにその歌声に耳を傾けた。にしな はゆったりと、言葉を噛みしめるように歌を届ける。“「モモ」でした。ありがとう”とささやくように伝えると、MCへ。

“弾き語りだと緊張感がありました。呼吸しちゃいけないみたいな。皆さん息してください。スーハー”。
にしな が深呼吸して見せると、観客が拍手で応え和やかな雰囲気に。バンドメンバーの真田 徹(g)、バンマス・松本ジュン(k)、Tomi(b)、Takashi Mochizuki(d)を紹介した。

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