【アカペラスタイル】『金沢アカペラ・タウン2023』2万人がアカペラを楽しんだ2日間の模様をレポート!

2023年8月26日(土)〜27日(日)@金沢市内各所
取材・文・撮影:藤井 徹(Vocal Magazine Web)

金沢アカペラ・タウンの見どころ③
『ベース・ボイパタッグトーナメント』開催!

 2日目のお昼には、今回新たな試み『ベース・ボイパタッグトーナメント』が開催されて盛り上がりを見せた。会場は「片町きらら広場」で、参加4タッグが1回戦30秒以内、決勝50秒以内でパフォーマンスを競い合った。勝敗は来場者の挙手によって決定されるのだが、どの対戦も僅差での接戦。その結果、舟橋昂矢と竹口裕樹の名古屋JP-actタッグが見事に優勝を果たした。

宮本春樹&平井和磨(BLUE BULLET)
高橋亮&友居昌慶(伸々事変)
土屋雄一朗&友寄大樹(DISORDER)
舟橋昂矢(ジェリーフィッシュは海の月)&竹口裕樹(Primrose)
『ベース・ボイパタッグトーナメント』参加者

優勝タッグコメント

舟橋昂矢(ジェリーフィッシュは海の月)、竹口裕樹(Primrose)

竹口 僕が今5回生で、3回生の彼(舟橋)を誘って出場しました。僕はアカペラのベースとボイパができて、彼はビートボックスのベース、ボイスパーカッションができるという強みを活かして、アコースティックな昔ながらのアカペラと、今どきのEDMっぽいアカペラを組み合わせたべーパ(ベース&パーカッション)を表現したいなと思って考えてきました。

舟橋 もう、やれることを詰め込もうと思ってきました。

竹口 相手も強かったですね、ビックリしました。まさか勝ち上がれるとは思わなかったので、嬉しいですね。

金沢アカペラ・タウンの見どころ④
有力グループとプロが繰り広げるファイナルステージ!

 2日目の夕方、日が暮れ始めた頃から市庁舎前広場のステージで開催されたファイナルステージだ。事前の書類・音源審査で選ばれたアマチュアグループ、前日のコンクールで金賞・銀賞に輝いた2グループ、そしてゲストのNagie Lane、シュガーズのパフォーマンスと、多くの聴衆が集まりイベントのラストを楽しんだ。

バリバリ

 トップバッターを務めたのは、『ハモネプ2022冬』優勝バンド、立命館大学Song-genicsの6人組ヤロバン、バリバリ。軽快なトークと、この日に初お披露目となった「アイドル」(YOASOBI)や、定番曲「ロマンスの神様」(広瀬香美)などの熱い演奏でグッと聴衆を惹き込んでいった。

Quintet5

 2番手で登場したのは、前日のコンクール銀賞グループ、Quintet5。前日のコンクールでともにベストプレイヤー賞を受賞したリズム隊がグルーヴをグイグイと引っ張る。1曲目のBTSのマッシュアップ曲(Butter、Dynamite)で自然発生的に手拍子が起こり、その後もノリの良いナンバーを立て続けに披露した。

GOBUSATA

 3番手で登場したのは、東京の社会人グループ、GOBUSATAの6人。ソウルフルなヴォーカルと確かなハーモニー、グルーヴ感たっぷりのリズム隊が、Superfly「Hi-Five」Mrs. GREEN APPLE「ダンスホール」などのナンバーを連発し、会場をガンガンに盛り上げてくれた。

何する?チャミスル!

 続いて東京の社会人アカペラグループ、何する?チャミスル!がステージに。J-POPをカバーするバラードバンドで、「瞳をとじて」(平井堅)、「I LOVE YOU」(クリス・ハート)などの名曲をしっとりと披露。男女のリードが高い歌唱力を誇り、陽が沈みゆく金沢の町並みに染みていくように、美しい歌声が響きわたった。

ボンバーチェリーパイ

 東京外国語大学LINESのOG4名で構成される、ボンバーチェリーパイは、「Samson」(レジーナ・スペクター)、「Hot Knife」(フィオナ・アップル)などレアな楽曲を外国語大学出身ならではの素晴らしい発音で聴かせてくれた。4人で向かい合い、ハンドクラップやフットストンプなども駆使しての、クールなステージで釘付けに。

日曜日のバカンス

 アマチュアグループのラストを飾ったのは、コンクール金賞を受賞した日曜日のバカンス。ベストボーカリスト賞にも輝いたリード・朝(土田怜奈)の圧倒的な歌唱力と、曲をプッシュする抜群のコーラス、流れるようなベースラインとパーカスのグルーヴで一気にオーディエンスを自分たちの世界観に染めていく。1曲目の「リブート」(miwa)からパワー全開で、「愛をからだに吹き込んで」(Superfly)では、会場が一体となって手を振る姿も。「Final Call」(milet)で少し落ち着かせてラストは「Beautiful」(Superfly)で締めくくった。

Nagie Lane

 とっぷりと日が暮れて、夜の気配が漂ってきた頃、ゲストステージはNagie Laneが登場! 「東京は夜の七時」(ピチカート・ファイヴ)で幕を開け、3人の女性ヴォーカルが代わる代わるソロをとり心地よい横ノリでオーディエンスを揺らす。mikakoが“2日間、どうだった? アカペラ最高だった?”と聞くと、集まった大勢の観客から大きな拍手。続いてmayuがリードをとってのオリジナル曲「ハナビート」で、過ぎゆく夏を感じさせるしっとりとした雰囲気に(まだ暑いけれど)。
 barattiのビートに乗せてkeijiが“スタンドアップ!”と促し、「ピャバラバ」へ。ステージの奥行きを目一杯使った大きなフォーメンーションがホントにカッコいい。観客もコーラスを担当しての「今夜はブギー・バッグ」では、客席にアカペラーが多いので、とても大きな声が出る! メンバー紹介を経て、ラストナンバーは「ふらぺちる」。会場も右手をクルクルと回しながらステップを踏んで、オーディエンスだけのコーラスで大いに盛り上がった。

シュガーズ

 2日間にわたって開催された『金沢アカペラ・タウン2023』のトリは、神戸を中心に活動するシュガーズが務めた。カラフルなジャケットを身に着けたメンバーが登場し、オープニングは緑黄色社会のカバーで「Mela!」。Echoがリードを担当するオリジナルの疾走ナンバー「青春の風」では最前列のファンを筆頭にみんなでタオルをクルクル回して盛り上がる。ボイパのShinyaがリードに回り、6月にリリースしたアルバム『うたごえRECORD』より「ONE」を届ける。
 HEROから“『金沢アカペラ・タウン』実行委員のみんな大きな拍手を!”との呼びかけで、会場から万雷の拍手が湧き起こる。今年還暦を迎えたHEROのグッと染みるMCに続いてはバラード「アカルイミライ〜I’m with you〜」。5人の澄んだ歌声に乗せて優しいメッセージが夜空に響きわたった。後半はPANGがリードを取る「世界でいちばん熱い夏」(PRINCESS PRINCESS)、

シュガーズ & Nagie Laneセッション

 宴の終わりは、ゲスト2グループによるセッション。選んだ曲はゆずの「夏色」だ。

 このファイナルステージの最中、広場の奥を見ると、シュガーズのライブでバリバリのメンバーが立ち上がって踊り狂っていたし、日曜日のバカンスのメンバーもジャンプしながらノッていた。出演者、地元のお客さんが一体となって盛り上がるこのイベントは、すでに金沢市の人にとっても欠かせない夏の風物詩となっていることを感じさせる。
 そして忘れるわけにはいかないこと。実行委員会、行政の方々、そして地元・金沢大学を中心とした学生スタッフたちの献身的な働きがあってこそ、これだけのイベントが毎年開催されているのだ。片付けが始まる前、ゲストグループと主要スタッフがステージに上がり記念撮影を行なった。本当にお疲れさまでした。そしてありがとうございました。

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『アカペラスタイル』✕『金沢アカペラ・タウン出演グループ』

Apple City
BLUE BULLET
日曜日のバカンス
バリバリ
ヤコブのはしご
Quintet5

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