【インタビュー】歌ライバーASUPI、映画『CAMP7』主題歌シンガーを勝ち取るまでの道のりを語る。「とにかく続けることが一番大事」

取材・文:鈴木瑞穂(Vocal Magazine Web)

映画『CAMP7』が2023年12月8日(水)~10日(金)開催の『ふるさと映画祭』で上映される。
本作は“キャンプ”を題材とした7作品からなるオムニバス映画で、キャンプ好きとして知られるNGT48の藤崎未夢を始めとする多彩な出演者や、Right-onオリジナルブランド『CAMP7』のさまざまなキャンプ衣装が登場するなど、見どころたっぷりの作品となっている。

そしてこの『CAMP7』の主題歌を歌うのが、歌ライバーとして活躍中のASUPIだ。
彼女はライブ配信アプリ『everylive』で開催された“Right-on×オーディションTV presents映画【CAMP7】主題歌オーディションイベント”にて、見事主題歌シンガーの座を勝ち取った。
Vocal Magazine Web初登場となるASUPIに、オーディションイベントについてはもちろん、「歌ライバー」への熱い想いやヴォーカリストとしてのこだわりなど、さまざまなことを語ってもらった。

「やっぱ歌しかないな」って、やらなかったら後悔すると思った

──Vocal Magazine Web初登場ということで、まずは自己紹介をお願いします。

ASUPI 4年ほど前からライブ配信を始めました。小さい頃から歌うことが好きだったんですけど、親に反対されたっていうのがあって、一旦は美容学校に進んでその道の仕事に就いて……。でもやっぱり歌を諦められなくて、ボイトレで歌を習うことから始めたんです。それからオリジナル曲を2曲作ってライブもしたんですけど、対バンする方々と比べて自分の歌を作ってとか、そういうことへの熱量が足りないんじゃないかってちょっと自信をなくしてしまって。

ライブ配信にはちょうどコロナ禍になったタイミングで出会ったんです。たくさんの人に歌を聴いてもらう機会や、聴きにきてくれる人たちとの出会いによって「やっぱり歌が好きなんだな」ということを改めて実感して。今はライブ配信を通して歌を届ける「歌ライバー」として、歌う人の新たな選択肢や環境をもっと広げられたらいいなと頑張って続けています。

──ASUPIさんのキャラクターや音楽的なルーツもお聞きしたいのですが、子供の頃はどんな子でしたか?

ASUPI 意外と今と性格が真逆で、人前で歌うとか、人前に立つのもあんまり得意じゃなくて。でも音楽の授業で歌うのが楽しかったり、エレクトーンピアノを9年間やっていたこともあって音楽自体は好きでした。小学6年生ぐらいの頃に初めてカラオケに行ったんですけど、大塚 愛さんの「ユメクイ」を歌ったら褒めてもらったんです。そこで自分の得意なことが歌なのかもしれないって気づいたというか。

──そのとき大塚 愛さんの曲をチョイスした理由は?

ASUPI きっかけは父親が大塚 愛さんのアルバムを買ってきて、そういう(特定の)アーティストの曲をたくさん聴くっていうのは大塚 愛さんからだったんです。今も大塚 愛さんの歌を歌わせてもらうこともありますし、好きなアーティストさんのひとりです。

──他にも影響を受けたアーティストはいますか?

ASUPI 一番初めに好きだと思った方は絢香さん。声が似てるって言われてずっと歌ってました。あとは中島美嘉さん、MISIAさんとか。声が低い系って言うんですかね、自分自身の声も低いので、バラード系やしっとりした曲を歌ってるアーティストさんを聴くことが多かったです。

──学生時代からすでに歌の活動を行なっていたのでしょうか?

ASUPI 学生時代はまったく何もしてなくて。とにかく歌うことが好きだったので、ただただカラオケに通い詰めるみたいな(笑)。あとは学祭でちょっと歌うかっていうぐらいで。

──それはバンドのヴォーカルとか?

ASUPI いや、友達が一緒に歌おうって誘ってくれた有志の出し物みたいな感じです。そのときは歌うことが好きなんだけど、バンドとかそういう活動をしたいっていうまでは至ってなかったんですね。

──ボイトレに通い始めたのはいつ頃だったのでしょうか?

ASUPI 22歳になった年の2月ぐらいです。もう美容関係に進んでいて、なかなか人生で頑張れる目標っていうのがなかったんです。なにか頑張れるものが欲しいと思ったときに、「やっぱ歌しかないな」って。やらなかったら後悔すると思ったんです。なんか歌を極めるじゃないですけど、勉強しないと将来やっとけばよかったって絶対思うなって……だから夢の消費をしようと思って、まずはボイトレに通い始めました。

──どのくらいの頻度で通いましたか?

ASUPI 最初の2年ぐらいは月に4回でした。そのときは(ライバーではなく)アーティスト活動という方向性でもあったので、オリジナル曲を作ったりいろいろやることがあって。ここ数年は月に2回行って課題曲をマスターしたり、難しい歌を練習してテクニックを身に付けています。

──「特にココが良くなった!」と感じる部分はありますか?

ASUPI もうホントにいっぱいあるんですけど、例えば音程がちょっとフラットしてるのを指摘してもらって自分の耳も良くなったというか、歌ってるときにちゃんと音をハメられるようになりました。あとファルセットで息が続かなくて、西野カナさんとかを歌うときに最後は体力が尽きてしまって……というのがあったんですけど、息漏れが少なくなったので、わりと高音まで強く出せるようになったと思います。

──遥海さんの「Pride」のカバーを聴かせていただいて、伸びやかで太さのある歌声が魅力的でした。ご自身で感じる“推しポイント”もぜひ教えてください。

ASUPI 意外と歌う曲によって声が全然変わるというか、例えば阿部真央さんってすごく低い歌も歌うし、かわいらしいポップな曲も歌われると思うんですけど、そういう感じで歌う曲によって全然変わるかなと思います。あと低めだったり、バラードや歌い上げる曲はやっぱり向いてるなと思うんですけど、自分はパワーで声が出てしまうので、逆に強く出すぎてしまうのが課題でもあって(笑)。でもそれもどんどん良くなってきているので、“力強さ”っていうのは持ち味かなと思います。

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