最新シングル「ほほえみ坂」がロングヒット中の北野まち子が11月18日、東京都・台東区の浅草ビューホテルにて『北野まち子と晩秋のひととき』と銘打ったディナーショーを開催した。
今年で12回目の開催となったこのディナーショーには、新型コロナウイルス感染拡大防止のため席数を減らしての公演となったものの、会場には昼夜あわせて140名のファンが詰めかけ賑わいをみせた。
紺地に総絞りの梅柄があしらわれた振袖に身を包み、最新曲「ほほえみ坂」からショーが開幕。続けて切ないメロディが印象的なカップリング曲の「面影の花」を歌い、会場はしっとりとした唄の世界観に包まれた。
“今年もこうして皆様にお会いすることができて本当に嬉しく思います”と深々と一礼。“今年も我慢の年だったと思います。少しでも楽しい時間にできますように精一杯唄わせていただきます”と、会場を見渡しながらステージへの意気込みを語った。
乾杯、お食事の時間を経て、舞台はカバー曲コーナーへ。自粛期間中に着物をリメイクして自作したというワンピース風の衣装で登場すると、名曲「糸」、「瑠璃色の地球」を披露。昨年からのコロナ禍によりさまざまな活動が制限される中でも“みんなで一丸となって希望を持って歩んでいきたい”という思いを抱いていた北野。今回、歌を通してそのメッセージを伝えたいと考え、北野の想いと重なった「糸」、そして「瑠璃色の地球」の選曲に至ったのだという。そんな思いの込められた温かい歌唱に、時折涙ぐむファンの姿も見られた。
雰囲気は一転し、新たな挑戦として男性が歌う東北ご当地ソングのカバーをメドレー披露。同じキングレコードのレーベルメイトでもある福田こうへいの「南部蝉しぐれ」や細川たかしの「望郷じょんがら」千昌夫の「津軽平野」など全3曲を披露。迫力の熱唱で会場のボルテージも一気に上昇。北野まち子の新たな一面を見せつけた。
終盤には「恋々津軽」「浮き世橋」「女の倖せ」など、オリジナル曲コーナーへ突入。再度「ほほえみ坂」を歌唱し、“この曲には今はどんなに苦しくてもきっと明るい日が来るというメッセージが込められています。この歌が皆様にとっての希望になればという思いを込めて歌わせていただきました”と胸中を語った。 ラストは定番曲である「女ねぶた祭り」を力いっぱいに歌い上げ、会場はひとつに。この日は全14曲を披露し、ディナーショーは大盛況のうちに幕を閉じた。