取材・文:田代智衣里(Vocal Magazine Web)
7月27日(水)にニューアルバム『1999』のリリースを控える、にしな。6月15日(水)に先行配信された「青藍遊泳」は、仲間と離れて自分の道を進むことを決意して作ったバラード楽曲。過去のワンマンライブでも披露され、待望の音源化となっている。ヴォーカル・マガジン・ウェブでは、最新曲「青藍遊泳」のほか、ヴォーカルルーツを語ってもらった。
※最後に素敵なプレゼントあり
“こう歌うとこう聴こえるんだ”と考えながら繰り返して
──今年4月の中野サンプラザでのライブが3度目のワンマンライブでしたが、今振り返るとどんなライブでしたか?
にしな 1度目のワンマンライブと同じく、いい意味で緊張感を持って挑んだライブでした。でも、これまでよりもさらにメンバーとお客さんと、どう楽しいライブを作るかを考えられたと思います。
──今回のライブで発見したことはありましたか?
にしな コロナ禍で、どうやってお客さんが楽しむかはすごく難しいところだと思うんです。私自身も一度目はわからないことだらけだったので、回数を少し重ねる中で“声は出せないけど、立ったほうがよりノレるのかな”とか、“メンバーが手拍子することでお客さんも手拍子がしやすいかな”とか、具体的な部分でちょっとずつ変われたり、みんなに相談して進められました。
──弾き語りもあれば、ハンドマイクも多かった印象があったのですが、さまざまなスタイルで歌を届けたいという思いもあったのでしょうか。
にしな 基本的にやってきたことはギターを持って歌うことだったので、それが落ち着く形ではあるんです。でも、ギターを持っていると右や左になかなか動けないので、ハンドマイクにすることで動ける範囲が広がったり、違う表現もできるようになってきたと思っています。
──ルーツについてもお聞きしたいのですが、最初に歌の魅力を感じたのはどんなアーティストでしたか?
にしな 最初に歌う人に憧れたのはコブクロさんでした。優しい歌を歌うときは優しい顔をしている、そういう細部がすごく好きですね。
──コブクロを最初に聴いたのは何歳ぐらいでしたか?
にしな 小学校2〜3年生だと思います。あんな風に歌ったら気持ちよさそうだなって憧れがありました。
──音楽活動を始めたきっかけはレコード会社主催の無料レッスンが受けられるオーディションだったということですが、それ以前に個人的にヴォイストレーニングなどをやったことはありましたか?
にしな ないですね。
──家で弾き語って歌うことはありましたか?
にしな それもあるかなぁ……ぐらいの感じです。
──ギターは持っていましたか?
にしな ギターはオーディションに応募するちょっと前ぐらいに、初心者セットのアコギを買ったような気がします。
──それまではまったく弾いたことがなかったのですか?
にしな はい。なんとなく触ってみるような感じでした。
──ギターを触り始めてから、オーディションにはすぐに応募したのですか?
にしな そうですね。ただ、応募はカラオケで録った音源を送った気がします。
──歌い始めたばかりのとき、自分の声を録音したものを聴くと最初はギャップがあって驚いたという人も多いですが、にしなさんはどうでしたか?
にしな ギャップがありましたね。録音した自分の声を聴きながら、例えば前に届けるイメージで歌ってみたり、うしろに声を置くようなイメージで歌ってみたり。“こう歌うとこう聴こえるんだ”と考えながら繰り返して、歌っていて聴いていて気持ちいい場所を自分なりに、今もずっと模索しています。
──いろいろと試した中で、今はどんな感覚で歌っていますか?
にしな 私はうしろを意識していますね。すごくリラックスしてるけど、筋肉にいい緊張感があって、天井を高く持ち続けて歌うみたいなイメージです。