【インタビュー】実力派オネエユニット“エンガブ”が明かす音楽の原体験と“航海”を掲げた最新アルバム制作秘話

2024.05.29

取材・文:榊郁乃 Photo:Jumpei Yamada

「エンガブの曲って歌うのムズいですよね〜」ってよく言われます(HIDEKiSM)

HIDEKiSM
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──Vocal Magazine Webはヴォーカリストの読者も多いのですが、エンガブの楽曲をカバーする際のコツやアドバイスを教えてください。

HIDEKiSM 「エンガブの曲って歌うのムズいですよね〜」ってよく言われます、ウフフフ♡(笑)。 (Takassyのほうを見て)アドバイス欲しいですって!

Takassy 大前提できたほうがいいことを念頭に置きつつ話すと、歌って音程よりもリズムが大事だと思います。どんなに音程が取れててもリズムがその曲に合ってないだけで間延びしたように聴こえるので。例えばR&Bが好きでフェイクがすごく上手くても、リズムが下手だと演歌や民謡のように聴こえてしまうというのがいい例だと思うんですね。 それで、私たちの曲はダンスミュージックなので歌うときにリズムに一番気を付けてます。私たちがずば抜けてリズム感がいいわけではないんですが、英語よりも日本語のリズム感を重視しています。まずは曲のリズムを感じてもらえたら、歌詞が乗りやすいようには作ってるので、自然に覚えたメロディで歌えるんじゃないのかなっていうのが、私たちの曲の歌い方のコツです。あとは、決してひとりでは歌わないことですね(笑)。

HIDEKiSM 「エンガブの曲はなかなかひとりでは歌えない」ってよく言われますね。でも、今作の収録曲『Sail on』はぜひみなさんに歌ってほしいなって思いがあって、しっかりパート分けをしてます。カラオケに入ったら、結構ひとりでも挑戦しやすい楽曲なんじゃないかな。ザ ・J-POPでもありますし。

Takassy アルバムのなかでは『哀恋』『僕の名を持つ君へ』『Sail On』あたりはひとりで歌えるんじゃないかしら。

HIDEKiSM あとはやっぱり……女優になることですね♡ 私なんか、やっぱり女優歴も長いんで。

Takassy 生まれたときから女優ですもんね。HIDEKiSMっていう世にも数奇な役を演じていらっしゃるから。

HIDEKiSM 歌うとき、曲に対してのペルソナを作るんです。例えば『Cherry Pie』だったらちょっと気怠そうに酒飲んでる女とか、『Fate』だったら大失恋して病んでる30代女性とか、そういう役作りをすると、声からも雰囲気が出ますよね。

Takassy レコーディングのときも、リファレンスとして音楽じゃなくて映像を観てもらうときがあります。そういえば前回のアルバム(『ENGABASIC』)制作時も、ふたりに「レコーディングの前にこの映画を観ておいて」って伝えて、観てもらってから臨んでもらいましたね。楽曲の全体的なイメージが捉えられると、歌い方もガラッと変わります。

HIDEKiSM あながち間違ってないよね、女優。

ENVii GABRIELLA
ENVii GABRIELLA

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