【インタビュー】金原遼希(YUTORI-SEDAI) メジャーデビューEP「blanket」に込めた想いと、進化を遂げたヴォーカル&ギタースタイルを語る。

取材・文:藤井 徹(Vocal Magazine Web) ライブ写真:白石達也

教えて!ヴォーカリストのこだわり

インタビュー本編はお楽しみいただけましたか? ここからは、金原遼希さんのヴォーカリストとしてのこだわりを深掘り!

◆喉ケアについて

金原 ビタミン剤を日頃から飲んでいます。ライブが近づくと1日2回を数日前から飲んだりもしますね。のど飴はマヌカハニーです。ニュージーランド産のものをインターネットで定期買いしています。寝るときは加湿器を鬼のように焚いていて、ひどいときは起きたら床が湿っていることも……。さらに睡眠時にマスクをすることもありますね。それでも喉を嗄らしちゃったときは、かかりつけの耳鼻科さんでトラネキサム酸という炎症に効く薬をもらいます。ただ最終的には普段の歌い方が喉に影響するとボイストレーニングで実感しているので、それもケアのひとつ。嗄れにくい歌い方を身につけることも自分の課題ですね。

◆カラオケで喉のチェックのために歌う曲は?

金原 以前は尾崎 豊さんの「I LOVE YOU」だったんですが、最近無意識レベルで入れちゃうのは秦 基博さんの「ひまわりの約束」ですね(笑)。なんか余分な力が入ってるなとか感じやすいんです。あと、ほぼ毎日カラオケに行って練習しているので、自分の曲は必ず歌います(笑)。その前に喉を温めたり自分の状況を確認する意味でも、「I LOVE YOU」と「ひまわりの約束」はよく選びますね。

◆1曲だけ声を借りられるならば、誰の声を体感してみたい?

金原 うわぁ、悩ましい(笑)。今だと藤井風さんかVaundyさんかな。やっぱりすごく声が良くて歌が上手ですよね、お二方とも。藤井 風さんは本当にナチュラル。あの脱力感の中で音域も意外と広いし表現がすごく豊か。ウィスパーなんだけど、しっかりと地声が重たい。あの表現の幅に憧れるし、どういう感覚なのか知ってみたいですね。Vaundyさんは、単純にメチャクチャ声が高いところとかあって、すごくきれいにミックスしているんで、そのミックスボイスを体感してみたい(笑)。しかもVaundyさんは声も大好きなんですよね。

 自分の体型に近いっていう意味では藤井 風さんだし、そういう点ではRADWIMPSの野田洋次郎さんもスラッとした痩せ型で首がちょっと長い。そして意外と野田さんも地声の成分が多いなとか、普段から自分と体型が似た方の歌い方は参考になるとライブ映像を観て研究をしたりもしているので。だけど、1曲だけ借りるなら、やっぱ藤井 風さんかな、トータルで!

ここからはスペシャル企画! インタビュー中に盛り上がってたっぷり聞いたギターの話、愛用機材やエフェクトボードも紹介していこう。

楽器本来の音がニュアンスとして出るものしか使わない

──所有ギターの遍歴を教えてください。

金原 最初は2万円ぐらいのセットのギターです。メーカーは覚えてないんですが、BUMP OF CHICKENの藤原基央さんに憧れていたので、同じ黄色のレス・ポール・スペシャル風でしたね(笑)。次はMOON GUITARSのTE CLASSICです。知り合いのバンドマンが楽器屋さんで働いていたので、お勧めを10本ぐらい試し弾きさせてもらい、一番良い音がしたのがMOONだったんです。その1本しかない塗装がされていて、それにも惹かれましたね。

──「私だって、」のMVに登場しているギターですね。MOONは国産の老舗ブランドで、カスタムギターなどの人気も高いのですが、金原さんの年齢を考えると、親御さんなどのギターを譲り受けたんじゃないかなと思ってました。

金原 確かにそうですよね(笑)。実はその頃の自分は国産ギターを買うことが「ちょっと粋だな」と思っていた時期だったんです。MOONのあとにMOMOSEのジャズマスター・タイプを買ったんですけど、それも国産ですしね。

──今のメインである赤いジャズマスターはフェンダー製ですね。

金原 はい。アメリカン・ビンテージ・シリーズという、ビンテージのモデルをもとにした新品のモデルです。楽器そのものの音を出してほしいという思いが僕自身の音作りの根幹にあり、アンプやエフェクター選びでも「楽器本来の音がニュアンスとして出るものしか使わない」っていうモットーがあるんです。その意味でも試奏した段階からメッチャ良かったですね。金額的には40万円ぐらいのギターですけど、他にプロで使ってる方がいたりするし、やっぱり良いギターだなっていうことを弾いてみて実感しました。

──ジャズマスターにたどり着いたきっかけは?

金原 もともとシングルコイルの音が好きでしたけど、一時期インスト・バンドを含めたポストロックとかマスロック的なジャンルの音楽をすごく聴いていたんです。そういうバンドではテレキャスターかジャズマスターを使っているギタリストが多くて、その音色に憧れを抱いてました。音楽性としてはポップスをやりたいんだけど、サウンドに関してはちゃんとロックでやりたいなっていう価値観がそこからできていて、自分の中で理想とする音がジャズマスターだったんですよね。

──ギターアンプは何を使っていますか?

金原 インディーズ時代からBad Catを使っていましたが、今はフェンダーのスーパーソニックをメインにしています。楽器屋さんの試奏用に置いてあるアンプもスーパーソニックかデラックス・リヴァーブが多いですし、結局それらが一番楽器の音を素直に鳴らしてくれるからなんだなと。

──エフェクターでなくてはならないものは?

金原 Y.O.S.ギター工房で作っているSmoggy Overdriveです。アンプライクなオーバードライブで楽器のニュアンスを崩さない。よく対バンのギタリストや乗り込みのPAさんとかに、「良い音ですね」と言われますね。生産停止中で希少価値が高くなってしまい、今は値段が上がってしまっているんですけど、こんなに自分が理想とする歪みエフェクターに出会ったことは今までなかったんで感動して買っちゃいました。僕のサウンドを作るうえでこれはマストです。

──他にエフェクトボードの中で大事なのは?

金原 ボードには常に8個から10個ぐらいエフェクターが入っていて、それぞれのオン/オフをスイッチャーでコントロールするのですが、意外とそのスイッチャーも大事だなと思っています。今使っているFREE THE TONEのARC-4はHTSサーキットを搭載しているのですが、簡単に言うといろんな種類のエフェクターを繋いでも、なんならバイパスの音でさえ自動で全部音質を揃えてくれる機能です。エフェクターのオン/オフで音質をそこまで変化させないので、すごくいいなと。筐体は大きくて重いんですけどループ数も多いですしね。

▲金原のステージ機材。奥に見えるギターは右がフェンダーのジャズマスター、左がMOONのTE CLASSICだ。アンプは右上がフェンダー・スーパーソニックのアンプヘッド(キャビネットはライブハウスのマーシャル)、左がBad CatのコンボWild Cat 40 Watt
▲エフェクトボード。手前右から左へ、Y.O.S.ギター工房のSmoggy Overdrive(オーバードライブ)、VEMURAMのJan Ray(ディストーション)、FREE THE TONEのARC-4(オーデイオ・ルーティング・コントローラー)、LINE 6のDL4 MkII(ディレイ・モデラー)。中央左から右へBOSSのRV-500(リヴァーブ)、strymonのMOBIUS(モジュレーション)、XoticのEP Booster(ブースター)、Limetone AudioのJACKAL MIDNIGHT(ディストーション)、Limetone Audioのfocus(コンプレッサー)、SHIGEMORIのRuby Stone(オーバードライブ)。奥の右から左へ、FREE THE TONEのJB-41S(ジャンクション・ボックス)、MXRのmicro amp(クリーンブースター)、KORGのPitchblack X(チューナー)、FenderのEngine Room LVL12(パワー・サプライ)。

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<締切:2025年4月30日(水)23:59まで>
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リリース情報

デビューEP「blanket」(読み:ブランケット)YUTORI-SEDAI
2025年4月9日(水)リリース
購入リンク:https://yutori-sedai.lnk.to/blanket

【収録曲】
01. ベストシーン
02. 私だって、
03. 新宿ロマンス
04. ロックンロール

ライブ情報

全国対バンツアー
“Reason for Smiling” Tour 2025

2025年
6月1日(日)福岡・福岡Queblick GUEST:UMEILO
6月14日(土)大阪・大阪LIVE SQUARE 2nd LINE GUEST:606号室
6月21日(土)宮城・仙台enn 3rd GUEST:Fish and Lips
7月12日(土)愛知・名古屋ell.SIZE GUEST:anewhite
7月17日(木)東京・新代田FEVER GUEST:the shes gone

チケット:https://eplus.jp/yutori-sedai/

プロフィール

YUTORI-SEDAI(読み:ゆとりせだい)

金原遼希(キンパラハルキ/Vo&Gt/中央)、上原 駿(ウエハラシュン/Ba/左)、櫻井直道(サクライナオミチ/Dr/右)の3人で構成される3ピースロックバンド。

2020年に現メンバーとなり本格始動。
金原の切なくも優しい歌声と女性目線の歌詞が注目を浴び、主に恋愛をテーマとする歌詞が魅力的でZ世代を中心に共感を呼んでいる。

2023年2月にリリースした「すき。」がバイラルヒットし、総UGCは3万件越え。Music Videoも300万再生突破。さらに同年7月にリリースした「ぎゅっとして、」はSNSでは多くの人気インフルエンサーが楽曲を使用して話題となり、 ABEMA「恋する❤️週末ホームステイ」の挿入歌として起用された。

2023年10月には自身初となるワンマンライブ、急遽開催が決定した追加公演ともにチケットはSOLDOUT。
2024年3月には東京・渋谷WWWにて2ndワンマンライブを開催しこちらもSOLDOUT。
11月には3rdワンマンライブを東京・渋谷O-WESTで開催した。

11月8日にイオントップバリュのCMソングとして書き下ろした「ずっとそばに」をリリース。
2025年4月9日、1st EP「blanket」でメジャーデビュー。

SNS

オフィシャルサイト:https://yutori-sedai.main.jp/
YouTube:https://www.youtube.com/@YUTORISEDAI
Instagram:https://www.instagram.com/yutori_sedai_band
TikTok:https://www.tiktok.com/@yutori_sedai_official
X:https://x.com/yutorisedai3man

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