【インタビュー】NAO AIHARAが語る、デビューから約1年ぶりの新作に込めた自身の意思と歌への想い
2023.03.9
取材・文:鈴木瑞穂(Vocal Magazine Web)
路上ライブで、見てくれたり、止まってくれることがすごい嬉しかった
──冒頭で話していた路上ライブについても聞かせてください。始めたきっかけは何だったのですか?
NAO もともと友達がやっていて、一緒にやろうよって誘ってくれたんです。最初は絶対できないと思っていたんですけど、やり始めたら見てくれたり、止まってくれることがすごく嬉しくて、そこからどんどんやっていきました。友達とやっていたときに止まってくれた人が自分ひとりでやるときに来てくれたり。なので最初は友達と一緒にやっていて、そこからちょこちょこお客さんが増えていってという感じでしたね。
──デビューしたあとの昨年もやっていましたよね。
NAO はい。(デビュー後は)1〜2回とかですかね?ただ、見てくれた人が、動画も撮ってくれたみたいで。(動画投稿サイトに)たぶん上げてくれたりしてるのかな。
──実はそれ、拝見しました。カバー曲だけでなくご自身のオリジナル曲も披露していましたが、デビュー後の路上ライブはどんな感覚がありましたか?
NAO しばらくライブもしていなくて、あんまり人前で歌うことがなかったので、生で聴いていただけて単純に楽しかったというのはありました。でもそのときすぐ止められちゃって。しかも隣でやってる人との距離が近くてなかなか歌いづらくて……いいパフォーマンスが見せられていないかもとちょっと悩んだのもあって、少し時間と場所を考えようかなとは思ってます。
──やっぱり人前で歌うと、歌と向き合う気持ちは変わりますか?
NAO 変わります。直接意見をくれる方もいますし。例えばSNSで「今日聴きました!」「この曲歌ってるのすごいよかったです」といったDMをくれたり。高校生の子が「失恋してたんですけど歌を聴いて元気をもらえました」と伝えてくれたりもしました。そういうのは嬉しいです。
──この記事を読んでいる読者の中にも路上ライブをやってみたい方がいるかもしれません。そこで、経験者だからこそ知る「ここは気をつけて!」という点をこっそり教えてくれませんか。
NAO 私は特に自分の声が聴こえないとすごく歌いづらいので、“スピーカーを遠くに置きすぎない”ということはいつも意識していて。遠すぎると自分の声が聴こえなくて張っちゃうんですよね。そうするとけっこう早くダウンしちゃうので、なるべくスピーカーの音を大きくして、耳の近くに置くようにはしてます。でも全然、前に置いてる人もいますけどね。
──スピーカーを置く位置は前後左右どのあたりですか?
NAO ひとつのスピーカーで音源もマイクの音も流してるので、後ろかな。それか横ですかね。
──大体どのぐらいの距離ですか。
NAO マジで近くです(笑)。不安なので真隣とかホントそのぐらい。でも逆に聞きたいですね。スピーカーを遠くに置いてる人はどうやって(音を聴いて)歌ってるんだろうって。
──参考になるお話をありがとうございます。この1年は自分の歌声を聴く機会も増えましたか?
NAO そうですね。ボイトレしつつレコーディングもしていたので“意外とこういう声も出せるんだ”という発見があったり、逆に癖に気づいたり。
──ちなみに歌うことはもともと得意というか、取り組みやすい感覚がありましたか?
NAO うーん……? でも音楽の授業とかはいつも成績よかったです(笑)。歌をやるきっかけはダンスを始めたときにたまたまボイトレの先生が近くにいたからっていうラッキーな感じだったんですけど、もともと歌うのは好きだったんです。カラオケに行くのも好きでしたし。
──今の歌声に変化や成長を感じる部分はありますか?
NAO 中3の頃からボイトレは一応行っていたんですが、ダンスをメインでやっていたので、なんとなく通っていたと言うほうが事実ですね。でも、 “ここ出ないな”、“難しいな”と感じることがあったり、“こういうふうに歌ったら気持ちいいな”ってわかってきたときに歌うのが楽しいなと感じるようになりました。
それは、自分で気づいたというよりかは、ボイトレの先生が「ココがいいから伸ばしていったほうがいい」って可能性を見つけてくれたからかもしれないです。今も低音の響きとかミックスヴォイスはけっこう出てるかなと思うんですけど、「これ絶対いけるよ!」って言ってくれたのは先生だったので。中学生から習っていたボイトレの先生が、教え方も含めホントお母さんみたいにいろんなことをサポートしてくれて、歌声も伸ばしてくれたっていう感じですかね。