グランプリは昭和歌謡好きな19歳の生田瑚桃さん! 25組が美声を競った『2025年 日本クラウン新人歌手 オーディション』決勝大会レポート!

取材・文・撮影:藤井 徹(Vocal Magazine Web)

老舗メジャーレーベル、日本クラウンが主催する『2025年 日本クラウン新人歌手 オーディション』決勝大会が8月24日(日)に開催され、応募総数2,572名から予選を勝ち抜いた26組28名が参加(1組が辞退)。グランプリ、準グランプリ、ニッポン放送賞の3名が選出された。『Vocal Magazine Web』編集部は決勝大会を観覧したので、その模様をお届けしよう。

 決勝大会は、ひとり1コーラス×2曲のパフォーマンスを行ない、5組ずつ審査委員からの質疑応答を挟んで進行していく。日本クラウンはこの日のゲストでもあった三山ひろしを始め、演歌/歌謡曲に強いレーベルでもあり、参加者の多くが演歌や歌謡曲で審査に挑んでいたのが大きな特徴だ。

 幼い頃から演歌に親しみプロ顔負けのコブシを利かす人、情感たっぷりに切ない恋心を歌い上げる人、学生服でアイドル曲を初々しく響かせる人、ステージ狭しと踊り歌った3人組など、誰もが短い時間内で歌唱力と個性を発揮した見応えのあるオーディションとなった。

左から、荒木瑞帆、有沙 瞳、生田瑚桃、今本真裕子、ウチハタ ハナ
左から、江口彩香、梶本寛太、菊池 寛、たける、小林夕夏
左から、りょう、Takahiro、佐藤洋介、優聖、嶋田 匠
左から、Silk、夕姫、永野聖人、林 裕輝、堀田晃平
左から、のっひい、リオ、Min、松本天愛来、山口紗矢佳

 別室での審査時間は、同オーディション出身の先輩たちによるゲスト歌唱タイム。23歳の原田波人が新曲「火の鳥」など甘い美声を披露し、続く田中あいみは木梨憲武プロデュースで所ジョージが作詞作曲を手掛けた「NAZO with 木梨憲武・所ジョージ」で、二人の等身大パネルを従えて登場。最後は『紅白歌合戦』の常連、三山ひろしがスーツ姿で今年の勝負曲「祇園闇桜」を歌い上げた。

原田波人
田中あいみ
三山ひろし
軽妙なトーク!

 歌唱後は3人が登壇し、自らのオーディションの思い出を語ったのち参加者から質問を受けるコーナーが設けられた。三山による「歌手は終わりのない道で、ずっと上げ続けていかなければならない。でも楽しめて勉強になることを感じながら生きていくこと。そしてお世話になっている方に、楽しんでいただく時間を提供することができる歌い手でありたい」という言葉は、参加者の胸にも刺さっただろう。

 その後、いよいよ結果発表の時間。見事グランプリに選ばれたのは19歳の大学生、生田瑚桃(いくた こもも)さんに決定した。渡辺真知子の「かもめが翔んだ日」と杏里「オリビアを聴きながら」を伸びやかな歌声で披露。その高い歌唱力と表現力の深さに加えて、未来の伸びしろを無限に感じさせる存在だったと言える。準グランプリは堀田晃平(ほった こうへい)さん。玉置浩二の「メロディー」などを堂々と歌い上げた彼のハスキーな声質は極上で、また聴いてみたいと思わせるシンガーだった。ニッポン放送賞を獲得した有沙 瞳さんは、宝塚歌劇団出身で、俳優としても活躍中。歌うときの姿や立ち振舞を含めた華やかな様子はさすがという存在感だった。

左から、原田波人、三山ひろし、有沙 瞳さん、生田瑚桃さん、堀田晃平さん、田中あいみ

 グランプリの生田さんは昭和歌謡が大好きで、ライブハウスやイベントなどのステージに立つほか音楽系ライブ配信も行なっている。また、現在は都内の大学1年生でアカペラサークルに所属していてリードだけでなくコーラスも担当しているそう。

 憧れのシンガーは“ショッピングパークの歌姫”と称される半﨑美子。その魅力を問われると「曲の世界観が心に響いてきて、ライブ終演後に長時間ファンと触れ合う様子を見て、歌手としてだけでなく人間性も尊敬しています」と語った。今後については「聴いてくださる方に安心感や勇気を与えられるアーティストになりたいと思っています」とのこと。その歌声で多くのファンを魅了することは間違いないので、今からデビューが待ち遠しいところだ。

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