【インタビュー&撮り下ろし写真】宮本佳林が語る、多彩な歌表現の源にあるポリシー。“未完成でもいいというアイドル感はいらない”

取材・文:田代智衣里(Vocal Magazine Web)
撮影:松井伴実

体幹を脳みそが認識すると、バランスが取りやすくなる

──レコーディング環境にこだわりはありますか?

宮本 かかとが高い靴は履かずに、基本的には裸足でやりたいです。あと、譜面台の高さは高めが好みですね。下を向くと、声が潰れちゃうので。

──レコーディング中のドリンクは何を飲んでいますか?

宮本 基本的には水なんですけど、調子をもっと出したいとき、高い音がある曲を歌うときは500mlの水に龍角散を3個ぐらい溶かしたものを飲んでいます。

──ライブのステージドリンクも同じものですか?

宮本 ライブでものど飴を溶かしたドリンクを置いています。でも、今回のツアーではステージ上でドリンクを飲まなかったんです。元々水分を全然取らないので、意識しないと1日に500mlも飲めなくて。ライブ中は喉が乾燥しちゃうから飲まなきゃと思うんですけど、飲むと胃が苦しくなるから飲みたくないんですよ。いつもその瀬戸際です。

──ライブ前に必ずやっていることはありますか?

宮本 発声をして高いところまで声を出せるようにしておくことと、体幹が感じられるトレーニングをします。足をクロスした状態で腰を回すと、“ここが体幹だ”とわかるんです。体幹を脳みそが認識するとバランスが取りやすくなります。

──足をクロスして立った状態で、フラフープを回すような感じですか?

宮本 そうです。左右で足をチェンジして、どちらもやっておきます。

──寝る時間と起きる時間は決まっていますか?

宮本 あんまり決めていないです。私の中では6時間半がいい睡眠時間なので、日によって調節しながら6時間半は寝る時間を確保するようにしています。

──最近、TikTokで血圧計も登場していましたが、普段から体調管理として血圧を測ることはありますか?

宮本 私は体調が悪いときに血圧が低い日が多くて、血圧計があると血圧が低いから体調が悪いのか、熱があるから体調が悪いのか区別がつくんです。血圧が低ければ、塩分を取れば大丈夫なんですよ。でもそうじゃない場合、ちゃんと原因を知っておかないといけない。なんで体調が悪くて、どうしたら体調が改善して、仕事がうまくいくのか。そういう指標になると思って買いました。

──ストイックな印象を持たれることも多いと思うのですが、何かに取り組むためにルーティンを決めることはありますか?

宮本 ルーティンをがっちり決めるというよりは、私の中で無駄のないように過ごしたいんです。だから、買い物のためだけに家を出ることができないんですよ。“この日はお仕事が早く終わるから買い物袋を持って行こう”とか、昔からそういう考え方です。

ストレッチやマッサージはしておこうとか、人から見たら“ちゃんとしたルーティンだよね”って言われるんですけど、私の中ではあんまりルーティンって感じがしないんですよね。あんまり決めきっていないというか、できなくても“今日はできなかったね〜”みたいな。精神的に負担がないように生活しています。

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